https://www.nejm.jp/abstract/vol383.p1340
「HPVワクチンは子宮頸がんの発症を予防するエビデンスはない」と主張してきた反ワクチン派の主張にとどめを刺す論文が10月New Engl J Medに公開された。
「薬害」運動が陥りやすい問題
健康被害の問題のみを訴えるのならまだ理解できるが、「効果がないのに上市され使用されている!」と何者かが運動をミスリードし始める。
それじゃあ効かない薬やワクチンがなぜ上市され使用される?
→「金儲けに走る製薬メーカーや、製薬メーカーから金をもらっている研究者、それを黙認する国の陰謀だ。」
こうなると、某トランプ支持者の陰謀論と本質は変わらない。陰謀論が根底にある運動はカルト化して外に広がらなくなる。
イレッサに対する薬害訴訟も然り。
イレッサは肺腺癌治療の歴史において、個別化治療の輝かしい幕開けを築いた薬剤であることは今や誰も否定できまい。
IV期肺腺癌の患者は年単位の生存が期待できるようになった。かつて10か月程度で患者がほぼ全例死亡していた時代と隔世の感がある。