熊本大学医学部
症例1
67歳,男性
主訴:咳嗽
現病歴:約6か月続く咳嗽.喀痰あり.近医にて抗菌薬処方受けるも改善なし.
既往歴:COPD,RAなど
内服薬:ケアラム(DMARD)など
喫煙歴:past smoker 20本x40年
胸部単純X線
右肺尖部に胸膜肥厚or浸潤影
右下肺野血管影の増強
右肺門リンパ節腫脹
右下肺野網状陰影
右下葉に2か所結節影あり
右Kerly's B lineあり?
胸部CT
右肺:小葉間隔壁肥厚,胸膜表面の粒状影,上葉から下葉にかけて気管支血管束の腫大
画像から鑑別診断
primary LC +PLC
metaLC+PLC
Lymphoproliferative disorder(Lymphomaも含む)
Sa症
塵肺など
診断
TBB
リンパ管に低分化の腫瘍細胞
TTF-1陽性,NapsinA陽性,p40陰性・・・
→原発性肺腺癌(T4N3M1b)+PLC
PETでは#7, #11sに取り込みあり.
PLCの進展様式
①血行性転移
②逆行性転移
③経横隔膜転移 などが推測されている.
症例2
79歳,男性
既往症77歳 脳塞栓症
現病歴:脳梗塞後遺症による右片麻痺あり.普段よりroom airにてSpO2 91%と低値(喫煙歴なし).38℃の発熱出現し,抗菌薬にて一時症状改善するも,酸素化の悪化(NC 3L/minにてSpO2 80%台)を認め入院となる.
身体所見:体温36.6℃,呼吸数16/min,脈拍 62/min・整,
BGA (O2 3L/min):pH 7.45, PaCO2 31, PaO2 50Torr, BE -1.6 mmol/L
胸部単純X線:右肺門部の陰影(肺動脈の拡大?).その末梢の血管影は狭小化?
造影胸部CT:early phaseにて染まる蛇行した血管影.
診断はAV fistula
家族歴なし
治療は経カテーテル塞栓術.AMPLATZER Vascular Plug
脳塞栓の既往も右左シャントが関与か
refractory hypoxemiaかどうか?の質問あり.
→シャント率によるだろう.
(血液ガスの臨床 p121)
特別講演
IPFについて 増永先生より
2015年難病医療助成制度が変わった
軽症高額制度
ピルフェニドン 1日 6261円,ニンテダニブ 1日 13148円.
従来I,IIは対象外であったが,IPFに関する医療費が33000円を超える月が年3か月以上続くことが証明できれば難病医療費助成制度の対象になる・・・etc.
http://ipf.jp/pro/pdf/grant.pdf