2013年3月15日金曜日

BTS Pleural Disease Guideline 2010 QRG

BTS Pleural Disease Guideline 2010 
A Quick Reference Guide
Management of Pleural Infection – British Thoracic Society Pleural Disease Guideline 2010.
 
●呼吸器専門医または胸部外科医は、胸膜感染症に対するchest tube drainageを必要としているすべての患者のcareに関与しなければならない.[C]

栄養
●臨床医は、胸膜感染症患者において十分な栄養を確保しなければならない.[C]
胸膜感染症における血栓症予防
●すべての胸膜感染患者は静脈血栓塞栓症発症のリスクが高い状態にある.禁忌でない限り、ヘパリンで適切な血栓症予防を受けなければならない.[A]

同定-臨床
●肺炎患者において,敗血症が進行中で,CRP高値の特徴を示すとき、3日以上経過した後胸膜感染の進行を示す可能性がある.[C]
●胸膜感染が疑われるすべての患者は、好気性および嫌気性細菌に対する血液培養を行っておかなければならない.[C]

同定-胸水吸引
●すべての敗血症または肺炎に関連した胸水貯留患者は、診断的胸水サンプリングを必要とする.[C]
●胸膜感染が疑われるとき、胸水pHはすべての非化膿性滲出液で評価されなければならない.[B]
●胸水pH測定が利用できない場合、胸膜感染がありそうなら、胸水glucoseの評価を行わなければならない.[B]

胸膜感染における胸水ドレナージの適応
●サンプリング時,明らかに化膿性か混濁した胸水を有する患者は、速やかにpleural space chest tube drainageを受けなければならない.[B]
●非化膿性胸水サンプルからグラム染色および/または培養によって同定される生物の菌体の存在は、胸膜感染が確立されていることを示し,迅速なchest tube drainageにつながらなければならないことを示す.[B]
●胸膜感染が疑われる患者における胸水pH<7.2は、chest tube drainageが必要であることを示す.[B]
●これらのchest tube drainageの基準のいずれも満たさないparapneumonic effusionは,臨床経過が良好なら抗菌薬単独治療が可能かもしれない.[B]
●抗菌薬単独治療にて臨床経過が良好でない時、迅速な患者評価と繰り返し胸水サンプリングを行う.恐らくchest tube drainageを行うことになるだろう.[B]
●隔壁のある胸水貯留患者は、早めにchest tube drainageを受けなければならない.[C]
●症状の緩和にとって利益があり必要とされるなら、大量の非化膿性滲出液は吸引および/または胸腔チューブで排出する.[C]

chest tube drainage
●10-14Fの小径カテーテルは、胸膜感染の大部分の症例に適切である.しかしながら、排液法における最適な胸腔チューブの寸法に関するコンセンサスはない.[C]
●小径flexible catheterが使われる場合、規則的なflushingはカテーテル閉塞を回避するために推奨される.[C] 
●可能であれば、胸腔チューブ挿入は画像ガイダンスに従って行われなければならない.[D]

抗菌薬
●すべての患者は、胸膜感染におけるbacterial profileに対する治療を目標とした抗菌薬を投与されるべきである.それは局所的抗菌手段と感受性パターンに基づかなければならない.[B]
●培養にて証明された肺炎球菌感染以外は、すべての患者において嫌気性感染をカバーする抗菌薬を使われなければならない.[B]
●客観的な証拠がない限り、または臨床的に『非定型』病原菌を疑う高い臨床的indexがなければマクロライド系抗菌薬は適応にない. [B]
●それが可能な施設であれば,抗菌薬の選択は細菌培養結果と細菌学者からのアドバイスによって導かれなければならない.[B]
●ペニシリン、β-ラクタマーゼ抑制薬配合ペニシリン,メトロニダゾール,セファロスポリンは、よく胸腔内に到達する。アミノグリコシドは回避すべき。
●細菌培養が陰性のとき、抗菌薬は一般の市中感染症の細菌病原体と嫌気性菌をカバーしなければならない.[B]
●院内感染膿胸の経験的抗菌薬治療は、MRSAと嫌気性菌カバーしなければならない.[B]
●一旦敗血症の改善の臨床および客観的な所見があるならば、静脈内抗菌薬は経口療法に変えられなければならない.[D]
●胸腔内抗菌薬投与は、推奨しない.[D]
●抗菌薬の長期間にわたる投与が必要な場合があり,しばしば退院後に外来で治療を行うことができる.[D]

胸膜腔内線維素溶解薬
●胸膜感染患者に対し,日常的に胸膜腔内線維素溶解薬を使用する適応はない.[A]

持続性の敗血症と胸膜貯留
●持続性の敗血症と胸水貯留患者は、更に放射線学的画像診断を受けなければならない.[C]
●持続性の敗血症と胸膜貯留患者は、すべての可能な外科オプションについて、胸部外科医と検討しなければならない.[D]

持続性の敗血症患者
●chest tube drainageと抗菌薬にもかかわらず、持続性の胸膜貯留に関連した持続性敗血症を有する場合、患者は外科的療法を受けなければならない.[C]
●chest tube drainageと抗菌薬治療の失敗は、迅速に胸部外科医と早期の議論をしなければならない.[C]
●抗菌薬の選択は再吟味されなければならない、そして、適切であれば長期間投与される.[D]
●胸部の外科医は、麻酔が適切であるかの評価に関与すべきである.
●肋骨切除と大径ドレーンの留置のようなあまり侵襲的でない外科的インターベンションは、か弱い患者で考慮される可能性があり、それは外科専門知識とアクセスに依存する.局所麻酔または硬膜外麻酔で行われる患者もいる. [C]
●全身麻酔ができず,かつ胸水ドレナージが効果なく持続性の敗血症を有する患者において,胸部の画像再評価と,画像ガイド下小径カテーテルの留置,大径chest tubeまたは胸腔内線維素溶解療法は,胸部外科医との検討の後に考慮する. [D]
●一部の患者にとって緩和療法と積極的症状コントロール評価は適当である.[D]

気管支鏡検査法
●気管支鏡検査は、気管支閉塞が強く疑われる患者にのみ行われなければならない.[C]

Follow up
●すべての膿胸と胸膜感染患者は、外来におけるfollow upを必要とする.[D]

 

 

 

 

2013年3月8日金曜日

3月3日グランメッセから谷尾崎梅園へ.梅が枝餅を食べる.

いやだといったのだが根負けして,グランメッセへ.子どもに人気の小物がいっぱい.1時間並んで買い物に1時間.キャラクターかわいくねー.
 

そのあと以前よりやってみたかった企画「梅を見ながら梅が枝餅を食べる」のため谷尾崎梅園へ.グリーンコープで買った餅はなかなかうまかったぞ.梅は1週間遅かったかなー.
夜はケーキを食べて桃の節句を祝う.

3月2日江津湖清掃と第10回九州びまん性肺疾患カンファランス

江津湖清掃
7時30分より.
ここしばらく参加できなかったが,久しぶりの江津湖の朝はすがすがしく気持ちよかった.出水南中学の生徒さんも参加.エビや魚を放流していた.
子どもはぜんざい,ポップコーンをもらい,締めはいつものようにボート.

晩飯まで作るとダウンしてしまうと思い,昼飯を作り福岡へ.第10回九州びまん性肺疾患カンファランスに出席.

演題1
びまん性粒状影および薄壁嚢胞性変化を検診にて指摘された1例
産業医大 呼吸器内科
31歳,女性 current smoker
乾性咳嗽が主訴.定期検診にて胸部異常陰影を指摘された.
画像は上・中肺野優位に粒状影と嚢胞形成.胸膜に接するものはほとんどなく,下肺野は(chest XPでは両側costphrenic angle部が)spareされる.経過中粒状影が減少し,嚢胞性病変が増加.
鑑別診断は
pLCH, LAM, AAH, RB-ILD, BHDS (Birt-Hogg-Dubé症候群), Lymphoproliferative disorder

CD1a細胞が集簇した結節,(CD1a細胞がいない)星状の瘢痕形成の,新旧病変が混在.
かつてLangerhans cells集簇を肉芽種形成と間違え,更に好酸球の集簇が見られることから,好酸球性肉芽種症と言われたんだそうな.
勝手ながら武村先生のreviewを抜粋する.
「細胞増殖期(cellular stage);初期病変は呼吸細気管支の粘膜内にL細胞の小集簇としてみられ,やがて呼吸細気管支を中心にL細胞からなる結節が形成され,細気管支上皮の剥離,細気管支壁の破壊が生じる.好酸球浸潤の程度は様々である.L細胞はまた肺胞腔を充填して大きな結節を形成する.・・・
細胞性・線維化期(intermediate stage)を経て,線維化期(fibrotic stage)には,呼吸細気管支を中心にヒトデ状の硬い線維化としてみられ,L細胞は消失する. 
嚢胞形成期(cystic stage);L細胞結節は比較的早期に中心部が洞化し,細気管支や肺胞壁弾性線維の消失がみられる.嚢胞は円形から不整形を呈し,その壁は菲薄なものから膠原線維の沈着で肥厚の目立つものまで様々である.しばしば同一症例で細胞性・線維化,嚢胞性変化が混在して認められる.」
「肺ランゲルハンス細胞組織球症の病理」日サ会誌 2009; 29: 88-91.より

本症例のBAL CD1a 6% (<3%)
禁煙にて改善傾向が見られた.

症例2
膿胸・壊死性筋膜炎を合併した多発肺腫瘤影の1例
九州大学胸部疾患研究施設
40歳,生来健康.BMI 28.8.男性1ヶ月続く37-38℃の発熱.画像上多発肺腫瘤影を指摘.CTガイド下肺生検では診断がつかず.採血BUN, Cr上昇なし.その後耳閉感出現.
WBC 22180/μL, Neu 90.5%, CRP 26.0mg/dl, BUN 8.0mg/dl, Cr 0.54 mg/dl, FBS 97, HbA1c (NSGP) 6.3% , Hb 8.8 g/dl
胸水よりS anginosus 2+, Anaerobe GPB 1+
右前鋸筋よりS anginosus 1+, GPB 1+
画像
DDx
Lung abscess and lung empyema
Fungal infection
LYG
Granulomatosis with polyangitis (GPA)
Rheumatoid nodule
Hydatid systs

Lung abscess+pleuritisとしては経過が長すぎる.
結節の特徴:内部がlow density,PETにて集積有.結節の周囲が「きれいすぎる」.→とすると,矛盾が少ないのはLYGやGPA
組織:地図状壊死,好中球増多.(胸腔鏡補助下左舌区wedge resection)
答えは感染+GPA
経過:ステロイドと抗菌薬にて治療.増大が見られたためCPAも使用.
Discussion(一部)
何故感染を併発したのか?
Hb低値を考慮するとHbA1cはもう少し高い可能性がある.DMがbaseにないか?

教育講演1
ATS-ERS IPF, IIPsガイドライン
近畿中央病院 放射線診断科 上甲 剛先生

IPFのKey CT所見
網状影と蜂巣肺
小葉辺縁性分布
Temporal or Spatial heterogeneity


2002 ATS-ERS-IIPs consensus classification
IPF
NSIP
COP
AIP
RBILD
DIP
LIP

2013 ATS-ERS-IIPs classification
●Major IIPs
IPF
NSIP
RBILD
DIP
COP
AIP

●Rare IIPs
Idiopathic LIP
Idiopathic pleuropulmonary fibroelastosis (PPFE)

●Unclassifiable interstitial pneumonias

●Rare histologic pattern
Acute Fibrinous Organazing Pneumonia (AFOP)
Bronchiolocentirc patterns of interstitial pneumonia
      Airway centered interstitial fibrosis
      Bronchiolocentirc interstitial pneumonia
      Peribronchiolar metaplasia-ILD

【2013 ATS-ERS-IIPs classificationのまとめ】
・LIPはrare formに下りたのでIIPs mainは7型から6型へ
・PPFE(網谷病)が参入.
・Unclassifiable(分類不能)を明確化.
・rare histological patternを追加→疾患として定義するには未成熟なもの.

教育講演2
間質性肺炎における病理診断の役割
長崎大学 病態病理学 福岡 順也先生



 














2013年3月2日土曜日

2月28日 第373回熊本チェストカンファレンス

19時より熊本大学にて

●症例発表
・熊本大学呼吸器内科
25歳,女性.左上葉の繰り返す肺炎.前医にてBAL施行.Ly 26%.OPが疑われステロイド投与するも改善なし.気道散布性病変.CTにて一部low density.
抗菌薬にて一時的に改善するが,再び増悪を繰り返す.
画像は抗酸菌感染を疑うが・・・.
もともと検診にて左肺のhyperlucencyがあり低形成を指摘されていた.数年前のCTを見ると,上葉はlow deisity. 吸気・呼気CTではair trappingの所見認めず.換気血流シンチではいずれも低下.
答えはSweyer-James synd.+感染.膿汁あり.P aeruginosaも分離.
病因:気管支病因説>肺動脈病因説

 ・大牟田天領病院
55歳,男性.右下葉に繰り返す肺炎.陰影はmass様.感染を繰り返しているためか,内部に拡張した気管支(というよりは肺の破壊像)を認める.
答えは予想通りpulmonary sequestration.Aortaより流入血管あり.
中高年以降で見つかったこと,右肺に病変があることは珍しいとのこと.呼吸器外科の先生が50歳代の女性で同じような右肺の病変を経験したとコメントされていたが・・そう!それ私が先生に送った症例です!

●肺癌手術ビデオ呈示
・済生会熊本病院 吉岡 正一 先生
手術は血が出るものという誤った考えが世間には蔓延している.そんな人に見せたい動画でした.

●教育講演
・『免疫低下に伴う感染症、特殊な感染症~症例を中心に~』
・熊本大学 岡本真一郎 先生
PCP
HIV-PCP, non HIV-PCPの症例が提示されていた.non HIV-PCP症例は面白い.治療についてHIV-PCPほどの明確なevidenceはないし・・・
予防的ST合剤の投与をいつまで続けるかの質問があったが,もちろんエビデンスはない.副作用もあまりないので,研究対象にはなかなかならないような・・
IRIS
M kansasiiによる縦隔リンパ節炎+食道穿孔には驚きました.
とても興味深い病態・概念である.我々がIRIS症例に遭遇することは他科からのconsultでもない限り見ることはないが,例えば結核の初期悪化,結核性リンパ節炎の治療中の増大=いわゆるparadoxical worseningや paradoxical expansionといわれる現象や,皮膚科領域ではあるがDIHSもIRISのような病態が関与しているのではないかと推測されている.

Miliary BCG (after immunotherapy for bladder carcinoma)
膀胱がんに対するBCG注入療法を知ったのは田中康夫の「ペログリ日記」であり,Miliary BCGを知ったのは「HRCT of the Lung」であった.

Cryptococcosis
小さな陰影では血清抗原が陰性となることをあらためて認識した.
IDSAのガイドライン
Clinical Practice Guidelines for the Management of Cryptococcal Disease: 2010 Update by the Infectious Diseases Society of America
Treatment Strategies for Patients with Nonmeningeal Cryptococcosis
Pulmonary (nonimmunosuppressed)

Although dissemination from an active pulmonary infection can occur in a nonimmunosuppressed patient, it is a much less likely occurrence than in immunocompromised patients. In general, symptoms are less severe, but there is substantial overlap between presentations in nonimmunocompromised and immunocompromised hosts.

Recommendations

60. For mild-to-moderate symptoms, administer fluconazole (400 mg per day orally) for 6–12 months; persistently positive serum cryptococcal antigen titers are not criteria for

continuance of therapy (B-II).

61. For severe disease, treat similarly to CNS disease (B-III).

62. Itraconazole (200 mg twice per day orally), voriconazole (200 mg twice per day orally), and posaconazole (400 mg twice per day orally) are acceptable alternatives if fluconazole is unavailable or contraindicated (B-II).

63. Surgery should be considered for either diagnosis or persistent radiographic abnormalities and symptoms not responding to antifungal therapy (B-III).

64. In nonimmunocompromised patients with pulmonary cryptococcosis, consider a lumbar puncture to rule out asymptomatic CNS involvement. However, for normal hosts with asymptomatic pulmonary nodule or infiltrate, no CNS symptoms, and negative or very low serum cryptococcal antigen, a lumbar puncture can be avoided (B-II).

65. ARDS in the context of an inflammatory syndrome response may require corticosteroid treatment (B-III).

2013年3月1日金曜日

2月25日 EBUS-TBNAと参観日

依頼があり検査のため病院に向かう.呼吸器内科スタッフは,先日の中九州三大学病院合同気管支鏡動物実技セミナーを含めほぼ全員wet lab, dry labを経験していた.N staging目的で#4L, #7の検査を行った.主治医の先生は上手に検査をされていた.若い先生を中心に手技の普及が進んでいきそうな予感.
急いで家に帰り,子どもの習い事の参観.お母さん方に挟まれて出席するのも少し慣れてきた.