2013年3月8日金曜日

3月2日江津湖清掃と第10回九州びまん性肺疾患カンファランス

江津湖清掃
7時30分より.
ここしばらく参加できなかったが,久しぶりの江津湖の朝はすがすがしく気持ちよかった.出水南中学の生徒さんも参加.エビや魚を放流していた.
子どもはぜんざい,ポップコーンをもらい,締めはいつものようにボート.

晩飯まで作るとダウンしてしまうと思い,昼飯を作り福岡へ.第10回九州びまん性肺疾患カンファランスに出席.

演題1
びまん性粒状影および薄壁嚢胞性変化を検診にて指摘された1
産業医大 呼吸器内科
31歳,女性 current smoker
乾性咳嗽が主訴.定期検診にて胸部異常陰影を指摘された.
画像は上・中肺野優位に粒状影と嚢胞形成.胸膜に接するものはほとんどなく,下肺野は(chest XPでは両側costphrenic angle部が)spareされる.経過中粒状影が減少し,嚢胞性病変が増加.
鑑別診断は
pLCH, LAM, AAH, RB-ILD, BHDS (Birt-Hogg-Dubé症候群), Lymphoproliferative disorder

CD1a細胞が集簇した結節,(CD1a細胞がいない)星状の瘢痕形成の,新旧病変が混在.
かつてLangerhans cells集簇を肉芽種形成と間違え,更に好酸球の集簇が見られることから,好酸球性肉芽種症と言われたんだそうな.
勝手ながら武村先生のreviewを抜粋する.
「細胞増殖期(cellular stage);初期病変は呼吸細気管支の粘膜内にL細胞の小集簇としてみられ,やがて呼吸細気管支を中心にL細胞からなる結節が形成され,細気管支上皮の剥離,細気管支壁の破壊が生じる.好酸球浸潤の程度は様々である.L細胞はまた肺胞腔を充填して大きな結節を形成する.・・・
細胞性・線維化期(intermediate stage)を経て,線維化期(fibrotic stage)には,呼吸細気管支を中心にヒトデ状の硬い線維化としてみられ,L細胞は消失する. 
嚢胞形成期(cystic stage);L細胞結節は比較的早期に中心部が洞化し,細気管支や肺胞壁弾性線維の消失がみられる.嚢胞は円形から不整形を呈し,その壁は菲薄なものから膠原線維の沈着で肥厚の目立つものまで様々である.しばしば同一症例で細胞性・線維化,嚢胞性変化が混在して認められる.」
「肺ランゲルハンス細胞組織球症の病理」日サ会誌 2009; 29: 88-91.より

本症例のBAL CD1a 6% (<3%)
禁煙にて改善傾向が見られた.

症例2
膿胸・壊死性筋膜炎を合併した多発肺腫瘤影の1
九州大学胸部疾患研究施設
40歳,生来健康.BMI 28.8.男性1ヶ月続く37-38℃の発熱.画像上多発肺腫瘤影を指摘.CTガイド下肺生検では診断がつかず.採血BUN, Cr上昇なし.その後耳閉感出現.
WBC 22180/μL, Neu 90.5%, CRP 26.0mg/dl, BUN 8.0mg/dl, Cr 0.54 mg/dl, FBS 97, HbA1c (NSGP) 6.3% , Hb 8.8 g/dl
胸水よりS anginosus 2+, Anaerobe GPB 1+
右前鋸筋よりS anginosus 1+, GPB 1+
画像
DDx
Lung abscess and lung empyema
Fungal infection
LYG
Granulomatosis with polyangitis (GPA)
Rheumatoid nodule
Hydatid systs

Lung abscesspleuritisとしては経過が長すぎる.
結節の特徴:内部がlow densityPETにて集積有.結節の周囲が「きれいすぎる」.→とすると,矛盾が少ないのはLYGGPA
組織:地図状壊死,好中球増多.(胸腔鏡補助下左舌区wedge resection
答えは感染+GPA
経過:ステロイドと抗菌薬にて治療.増大が見られたためCPAも使用.
Discussion(一部)
何故感染を併発したのか?
Hb低値を考慮するとHbA1cはもう少し高い可能性がある.DMbaseにないか?

教育講演1
ATS-ERS IPF, IIPsガイドライン
近畿中央病院 放射線診断科 上甲 剛先生

IPFのKey CT所見
網状影と蜂巣肺
小葉辺縁性分布
Temporal or Spatial heterogeneity


2002 ATS-ERS-IIPs consensus classification
IPF
NSIP
COP
AIP
RBILD
DIP
LIP

2013 ATS-ERS-IIPs classification
Major IIPs
IPF
NSIP
RBILD
DIP
COP
AIP

Rare IIPs
Idiopathic LIP
Idiopathic pleuropulmonary fibroelastosis (PPFE)

Unclassifiable interstitial pneumonias

Rare histologic pattern
Acute Fibrinous Organazing Pneumonia (AFOP)
Bronchiolocentirc patterns of interstitial pneumonia
      Airway centered interstitial fibrosis
      Bronchiolocentirc interstitial pneumonia
      Peribronchiolar metaplasia-ILD

【2013 ATS-ERS-IIPs classificationのまとめ】
LIPrare formに下りたのでIIPs main7型から6型へ
PPFE(網谷病)が参入.
Unclassifiable(分類不能)を明確化.
rare histological patternを追加→疾患として定義するには未成熟なもの.

教育講演2
間質性肺炎における病理診断の役割
長崎大学 病態病理学 福岡 順也先生