2019年10月29日火曜日

10月28日熊本県内科医会学術講演会 

製品紹介
イナビル吸入懸濁用 160mgセット
自然呼吸で、1回分の吸入で完結。成人と小児で同じ量、予防には使えない。乳糖は含まれない。成人及び10歳以上の小児において、インフルエンザ罹病期間-18hr、平熱になるまで-15hr。


呼吸器感染症を識る・診る・治す~インフルエンザを中心に~

1981-19年スペイン風邪H1N1 全人口の50%が感染。4千万人死亡。日本では全人口5500万人にたいし40万人が死亡。

ウイルス
HA 気道粘膜に接着する接着剤の役割。NAはハサミの役割。
Aは亜型あり。更に宿主は人、トリ、ブタ、馬
B亜型なし。宿主は人。→新型が出にくい。

日本 毎年1500万人のflu  20歳以上が半数
入院患者数のピークは1-4歳と高齢者 いずれも重症化しやすい

・RNAの読み間違いによる抗原連続変位
・遺伝子再集合 抗原不連続変位⇒新型ができる
・2つのウイルスが同じ細胞に感染⇒大幅な遺伝子変異がおこる

<検査の進歩>
検出しにくいもの
AよりB
小児より成人
鼻咽頭より咽頭
6hr以内ないし12hr以内の病初期
発熱の程度が低い
鼻汁が少ない
ワクチンを接種している

インフルエンザ抗原キットの感度は?
長崎大のデータ 
イムノクロマト法陽性ならすべてPCRで陽性(偽陽性なし)
イムノクロマト法陰性なら77例中26例がPCR陽性
イムノクロマト法陰性の約1/3はFlu
臨床症状などで判断することが重要

イムノクロマト法はウイルスコピー数が少ないと偽陰性
イムノクロマト法陰性の場合いは担当医が判断するとよい
CDCガイドライン:イムノクロマト法陰性はインフルエンザ感染を否定するものではないとの記載がある。

富士ドライケム ImmunoAG1の特徴。
従来のイムノクロマト法より1.5倍陽性率が上昇。感度を上げる良い方法。

11月1日よりビオメリュー社
Film Array 迅速簡便な遺伝子検出法 1hrで結果が出る。
鼻咽頭ぬぐい液で Flu, RS, HRV, Coronaなどを検出
※RSウイルスキット 成人ではウイルス量が少ないので陽性に出ない。しかしこのキットを使うと検出できる
hMPVやはり春先に多いことが確認できる、急性上気道炎はほとんどウイルス。抗菌薬の適正使用。

Fluの治療
早期治療が重要
2009 H1N1 pandemic NEJM

ゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル)
A/H3N2耐性株 10%
ノイラミニダーゼ阻害薬はほとんど耐性なし
2019/10/24感染症学会提言
(1)12-19歳および成人:臨床データが乏しい中で、現時点では、推奨/非推奨は決められない。
(2)12歳未満の小児:低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する。
(3)免疫不全患者や重症患者では、単独での積極的な投与は推奨しない。

フロアからの質問
予防投与について


2019年10月26日土曜日

EGPA 学会より

EGPA
100% BAから発症。
ACR  Criteria for the classification of CSS (EGPA)
これは診断基準」ではなく分類。

nasal polyp and sinusitis
AERD、EGPA高率に合併
EGPAとAERDの類似性
AERDは末梢神経障害がない。
消化管症状 EGPA 60%、AERD 37%

EGPAとHES
遺伝子異常のないHES
区別しにくい。アトピー状態。
鼻茸はEGPAに多い。鼻茸の有無が鑑別に有用か。

EGPA
重症喘息の2-5%にEGPAあり。
EGPA
血管炎を起こす前のBA症状の特徴。好酸球性副鼻腔炎、好酸球性細気管支炎、
CEP
もともとIgEは高くない。好酸球性鼻ポリープがある。気道過敏性は軽い。
好酸球性細気管支炎はEGPAの10-20%

ANCAの意味
EGPA: 38%がANCA陽性。
ANCA陰性ではCEP様。
EGPAでp-ANCA陽性→MPA様の病像。

バイオマーカー
AERD 尿中LTE4が上昇。JACI 2004。
血小板と顆粒球のクロストーク。

425回熊本チェストカンファレンス

2018年7月27日
2015年WHO分類
肺癌取り扱い規約第4版→2017年肺癌取り扱い規約第8版
AAH→AIS→MIA→IA
AAH 通常大きさは5mm以内。
AIS(上皮内腺癌) 大きさ3cm以下。 CT pure GGO
AAHとAISの鑑別は?主観で決まる面もある。
MIA 大きさ3cm以下、浸潤は5mm以下。CT GGOの中に一部solidな部分がある。
浸潤径はTNM(第8版)に反映。第8版では充実成径を浸潤径に置き換えて分類する(※非浸潤部は浸潤しない?)
predominant subtype(予後を反映)の決め方。
micropapillary 腫瘍塊は気腔内に浮遊。転移しやすい、予後不良因子。
術後補助化学療法の恩恵を受けるものはsubtypeで異なる。

TTF-1 腺癌マーカー
p40  扁平上皮癌マーカー

http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2137.pdf

第432回チェストカンファレンス

2018年3月22日
50 yo M
左胸水。胸水はNeu 67%、LDH 360、ADA 11.9 U/L。7日後 Ly 71%、cytology class IIIa。左下葉の陰影よりTBLB、縦隔リンパ節よりEBUS-TBNAを行うも確定診断には至らず。
CT 小葉間隔壁の肥厚+粒状影。葉間と胸膜に。

診断は類上皮血管内皮腫。血管内皮由来の腫瘍。血管腫と血管肉腫の間。
pulmonary epithelioid hemangioendothelioma(PEH)
多発結節影を呈することが多い。<10mmのもの半数?
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/041020144j.pdf

72 yo F
#1右上葉肺癌 p-T1bN0M0 stage IA
#2Sa症  肺門縦隔リンパ節腫脹、ブドウ膜炎あり

2019年10月24日木曜日

第429回熊本チェストカンファレンス

2019年5月23日
Case1
68 yo M
主訴は発熱、右胸痛、呼吸困難、血痰
右痛みは持続痛、チクチク刺されるような痛み。呼吸、圧迫により増強。
TAZ/PIPC投与開始するも、右下肺野の陰影は増悪。rt S4, S8-S10、中葉には結節影。
SpO2 97%(O2 3L/min NC下)
current smoker
既往歴:高血圧、狭心症。抗凝固薬や抗血小板薬の処方無し。
BFにてrtB4、rtB5bより出血あり。細菌培養(-)、
心エコー右室拡大無し、DVTなし。
診断は肺塞栓症、出血性肺梗塞(その後膿胸を併発)
ナックルサイン 感度15%、特異度89%、ハンプトンズハンプ 感度15%、特異度99%



Case2
69 yo M
主訴は乾性咳嗽。ICSやOCSでも効果乏しい。胸部画像:洋館胸膜に粒状影、気管支壁肥厚、小葉間隔壁肥厚。BF 多発白色隆起性病変。左優位、中枢側優位。
PET/CT pancreas頭部にuptake、DUPAN2 1600U/ml、CA19-9 1.0U/ml。最終的にpanc. ca.と診断。肺GGO→低分化型腺癌、acinar、TTF-1陰性、Napsin A陰性。最終的にpanc. ca. stage IV、multiple liver meta、PLCと診断した。
panc. ca.のdistant meta.は、①liver、②lung 
画像上GGOをきたす場合の機序はlepidic growth、粘液産生など。
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/048040298j.pdf

第421回熊本チェストカンファレンス

Case 44yo male
胸部異常陰影。CTにて両側肺野に粒状影。4年後にBF、7年後にVATS下肺生検。
BF:
気管支の血管怒張、BALFにてLy上昇(55.3%)、CD4/8 2.51
採血ではACEの上昇や、sIL-2Rの上昇無し。Gaシンチ異常集積無し。

CT 縦隔条件にて輝度の高い小さな石灰化。

肺生検組織では病変部位に骨組織を認め、肺骨化症と診断。

肺骨化症(樹枝状肺骨形成:dendriform pulmonary ossification)
1856 年に Luschka によって初めて報告。肺組織に異所性の骨化巣を生じるまれな疾患。
組織によっ て「結節性肺骨形成」と「樹枝状肺骨形成」に分けられ, それぞれに特発性と続発性の症例がある。(日本呼吸器学会誌)
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/002030264j.pdf

その他myelomaの症例、甲状腺癌の肺転移とGISTの衝突癌。
myelomaとplasmacytomaの鑑別は、多臓器の障害の有無を考慮。

2019年10月21日月曜日

2019呼吸器学会地方会秋 PM/DMに合併したILDなど

<PM/DMに合併したILD>
ステロイド1mg/kg/day+TAC
何故TAC? studyがある。保険適応あり。
※PSL+CcA(保険適応外)
関節の伸側面に注意。ケブネル現象
mechanic`s hand  抗ARS抗体陽性例
抗ARS抗体はPM/DMの30%に陽性。

       Jo-1    抗EJ         PL-7          PL-12             KS             OJ
ILD               84-97%      76-93%      89-94%        100%
筋炎                                                   17%              7%

ASS-ILDの予後は良好。
ASS-ILDの画像はNSIP or NSIP with OPパターンが多い。UIPは0%(自験例)。
抗PL-7陽性例、PL-12陽性例は再燃しやすい。

抗MDA-5抗体
CADM, RP-ILDの合併が多い。生存率は40%。
速やかに治療。3剤→救命率の改善。75% vs 25%(コントロール)
抗MDA-5抗体は外注。結果が遅れる。
皮疹は皮膚潰瘍、手掌紅斑、爪周囲紅斑、出血斑など血管炎様皮疹。皮疹のみで治療を開始。IIPではほぼ陰性。
秋から冬季の発症が多い。川沿い、非都市部に多い。日本は他国よりRP-ILDが多い。74% vs 32.5%
CT画像は分類不能型パターンが多い。
予後不良因子(90日死亡)。抗体価、血清フェリチン>500-1600ng/ml
JAMIコホート リスク因子
steroid+TAC+IVCYを一刻も早く!

SSc
限局性→皮膚のみ・・・限局性皮膚硬化型など
全身性→呼吸器科が診るのは全身型
皮膚硬化はすぐに出現するものではない



参考までに・・・2019年呼吸器学会総会ランチョンセミナー

演題1
多発筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の治療戦略
MDA5+
Respir Med Case Rep
必ずしもDADではないという報告
しかしDADを呈するものは予後不良

                           UIP        NSIP       ALI(NSIP+OP)        DAD
ARS                     ▲    ◎     ◎
MDA5+                  〇         〇

ARSの病理はNSIPまたはNSIP+OP

<抗ARS抗体陽性筋炎>
初期よりTAC併用したステロイド療法
早めにステロイドは減量。10mg/dayが維持量。
すべて予後が良いのか中期的にみると線維化進行
治療反応良好な症例は、先に減らすのはステロイド。

MDA5抗体陽性筋炎
フェリチン高値群が低値群よりILDは重症

症例提示   Respir Med Case Rep      2016 May
30代女性のDM
Non-DAD type
PDN+TACの2剤で改善。維持可能。

53歳女性
VVECMO   VT200で管理

まとめ
抗ARS抗体陽性例は再燃が多い

演題2
間質性肺炎合併多発筋炎・皮膚筋炎(PM/DM-ILD)に対する治療
自己抗体と予後因子による治療戦略
(京都大学膠原病内科)
特発性炎症性ミオパチー IIM


PM/DM ILDあり74%→ARSが5.3%、MDA5が32%

Jo-1  PL-7  PL-12  EJ   KS   OJ  がmajor 。他は症例報告レベル。

抗ARS抗体陽性   IPが95%。IP先行症例あり。初期治療によく反応するが再燃してくる。
Jo-1よりもnon Jo-1が予後不良。
PL-7 予後不良因子  PR-ILD  
3年以内にステロイドが減らせない(<8.5mg/dayにならない)。ステロイドに免疫抑制剤を加えたほうが予後が良い。早期併用が良い。

抗MDA5抗体 ピコルナウイルスを認識する。
手掌側のゴットロン徴候
アジア人  ILD 80-90%      RP-ILD  50-55%
以前6か月以内に約半数が死亡していた
血球減
フェリチン値と抗MDA5抗体価はよく相関する。

何故3剤併用?
生存例と死亡例
呼吸不全が出現してからは救命困難
早期免疫抑制剤を使用する
1.PDN   1mg/kg/day
2.TAC   12hrトラフ10-12ng/mlを目標
3.IVCY  1-6回までは2週間ごと    計10回
6か月をこえてフェリチン値が下がってくる
3剤併用ではCMVの再活性化が多い。2週間ごとのアンチゲネミア測定。
プラズマフェレ―シスも有効か

3剤併用後寛解期の治療。3年以上経過すると半数はTACを中止できる症例もある。ステロイドを中止できる症例もある。

PM/DM with ILDの治療方針
抗ARS抗体陽性→PDN+TAC               長期にわたりfollow up
抗MDA5抗体陽性→PDN+TAC+IVCY              同上
どちらも陰性→ステロイドを中心とした従来の治療が主



第1日目の症例検討会

Case 1 PPFE
年齢が若く、胸郭変形無し、胸膜直下の病変も顕著ではない印象だが、
会場はPPFEだろうという雰囲気で進行。
Case 2 Sa症+肺がん
皮下の腫瘤より肉芽腫を認め、肺内腫瘤影+胸膜の粒状影。→肺病変(BFでは確定診断できず)はSa症によるものと考えて経過観察でもよさそうだが・・・・。外科にopeを依頼し、腫瘤影は肺癌、胸膜の多発病変は肉芽腫の診断となった。
何故経過観察としなかった点に興味を持った。以前同様のcaseがあり、in opeとなった苦い経験があったとのこと。