Intrapleural
Fibrinolytic Therapy for Treatment of Adult Parapneumonic Effusions and
Empyemas
A
Systematic Review and Meta-analysisCHEST 2012; 142(2):401–411
多房性のparapneumonic effusionや膿胸の管理において,繊維素溶解療法が注目されていた時期があるが,現在は外科治療の有用性が注目され,積極的に治療が行われている.確かに治療効果は抜群で,入院期間,抗菌薬投与期間の短縮が得られている.今回の論文は,あらためて繊維素溶解療法の効果について検討したものである.
方法: Methods: MEDLINE, EMBASE, PapersFirst, and the Cochrane
Collaboration and the Cochrane Register of controlled trials were searched.
結果:線維素溶解療法とプラセボを比較したtotalで801名の患者を含む7つのRCT.線維素溶解療法は治療失敗のアウトカム(surgical interventionか死亡)に対して有用であった(risk ratio [RR], 0.50; 95% CI, 0.28-0.87).そしてsurgical interventionのみに対しても有用であった(RR, 0.61;
95% CI, 0.45-0.82).平均入院期間に差はなかった(standard mean
difference, 2 0.69; 95% CI, 2 1.54-0.16) or death (RR, 1.14; 95% CI, 0.74-1.74)
結論:このmeta-analysisは線維素溶解療法が,成人におけるparapneumonic
effusionと膿胸の管理において有用であることを示している.この治療のルーチンの使用がすべてのparapneumonic
effusionと膿胸の治療に有用であることを裏付ける証拠は不十分であるが,多房性の胸水症例に対しては手術を避けるために考慮して良いであろう.更に適切なパワーを持ったRCTが必要である.