BMJ 2013;346:f3306 doi: 10.1136/bmj.f3306 (Published 29 May 2013)
目的
2つの異なるICS/LABA合剤で治療を受けているCOPD患者において肺炎と肺炎関連イベントの発生を調査する.
設計
後ろ向き観察研究,傾向スコアに対して1:1にマッチさせたpairwise cohort研究.傾向スコア(propensity
score (PS) )を用いた解析方法
Setting
Swedish hospitalに関連したprimary care medical record,drug, 死因について.1999年から2009年までのデータ.
Participants
Physicianによって診断されたCOPD患者.Budesonide/formoterol,
fluticazon/salmeterolのいずれかが処方されていた患者.
Main outcome measures
年間の肺炎イベント率,肺炎に関連した病院への入院と死亡率.
結果
9893例の患者がマッチングのために登録された(2738例がfluticasone/salmeterol群,7155例がbudesonide/formoterol群).各々2734例のマッチされたコホートが得られた.これらの患者において2115例 (39%)が調査期間中少なくとも1回,肺炎のエピソードがあった.期間中19170患者・年の間に2746エピソードが記録された.budesonide/formoterol,群と比較して,肺炎発症率と入院率はfluticasone/salmeterol群において高かった.それぞれrate
ratio 1.73 (95%信頼区間 1.57 to 1.90; P<0.001), 1.74 (1.56 to 1.94; P<0.001).100患者・年における肺炎イベント発症率は11.0 (10.4 to 11.8) 対6.4 (6.0 to 6.9).入院率は7.4 (6.9 to 8.0)
versus 4.3 (3.9 to 4.6)であった.肺炎に関連した平均入院期間は両群で同じであったが,肺炎に関連した死亡率はbudesonide/formoterol, (52 deaths)群よりもfluticasone/salmeterol群(97 deaths)で高かった(hazard ratio 1.76, 1.22 to 2.53; P=0.003).全死亡率は両群で差はなかった(1.08, 0.93 to 1.14; P=0.59).
結論
COPD患者の治療における肺炎発症リスクと肺炎関連イベントはICS/LABAのクラスにより違いが認められた.AstraZeneca社が関与しているのでその点も考慮.それぞれのグループでdoseと肺炎発症リスクとの関連はなかったとのことだが,両群のステロイドの平均投与量は,budesonide 568 (SD 235) μg/day ,fluticasone 783 (SD 338) μg/day.この違いはどのように処理されているのか?