NEJM 2013
May 20, 2013
背景
ARDS患者に関する過去の臨床研究において,人工呼吸管理中に行うprone positioningのアウトカムに対する有用性を示すことはできなかった,我々は重症ARDS患者において早期にprone positioningを行うことがアウトカムに対して効果的か否かを検討した.
方法
multicenter, prospective, randomized,
controlled trial重症ARDS患者466例を少なくとも16時間のprone-positioning sessionsを受ける群,supine positionのままの群にランダムに割り付けた.「重症」ARDSの定義は,少なくともFIO2 0.6,PEEP 5cmH2O, 1回換気量がほぼ6ml/kg (predicted body weight)の時,P/F ratio≦150mmHgならば重症とした.primary outcomeは症例選択後28日以内の全原因死亡患者の割合であった.
結果
Prone group 237例,supine group 229例に割り付けた.28日死亡率はprone群で16.0%,supine群で32.8%であった(P<0.001). prone positioningの死亡に関するHRは0.39 (95% confidence interval [CI], 0.25 to
0.63)であった.未調整90日死亡率はprone群で23.6%,supine群で41.0%であり(P<0.001),HRは0.44(95% CI, 0.29 to 0.67)であった.Supine群でcardiac arrestの頻度が高かったことを除いて,両群間の合併症頻度に有意差はなかった.
結論
重篤なARDSにおいて早期に長時間のprone positioningを行うことは,有意に28日,90日死亡率を減少させた.