須田先生(浜松)
膠原病的背景を持つIP
IIPsと膠原病肺との関連
UCTD
Kinder 2007
LD-ILD Fisher 2010
AIF-ILD Vij
2011年
そして現在ATS/ERSよりすべてを包括する概念としてIPAF
UCTD
非特異的炎症の項目―たとえば体重減少,CRPなどが入っている.
UCTDの診断基準を満たすのは特発性NSIPで88%,IPFで5% →特発性NSIPはUCTDの肺病変との結論
IIPsにおいてUCTDの診断は予後良好(肺機能の改善)と関連 Kinder Lung 2010.
しかしその反論:CorteらはUCTDの基準をmodify=厳しい基準strict definition
UCTDの比率は・・ strict
definitionでは
IPF 13% NSIP 31%
Broad definition(Kinderらの診断基準)では IPF 36%
NSIP 71%
したがって結論:特発性NSIPはUCTDの肺病変とは言えない.IIPsにおいてUCTD診断は予後と関連しない.
そこで特発性NSIPに限ってみてはどうか? Suda Respir Med 2010
KinderのUCTD診断基準を満たすものは47%であった.UCTD-NSIPとNon-UCTD-NSIPを比較
⇒特発性NSIPではUCTD診断を満たすと予後良好.
同じような論文 ERJ 2015 Nunes H →組織学的にNSIPと診断した症例の検討:特発性NSIPよりもUCTD-NSIPの方が予後が良い.
ではIPFに限ってみてはどうか?
Kim Chest 2015 UCTD strict definitionをみたすもの. IPF 8%, NSIP 26%
UCTD(-)IPF vs UCTD(+)IPF
⇒UCTDをみたすIPFの方が予後良好.
外科的肺生検を施行したUCTD 58例.50%がNSIP,UIPが41%
UCTD-NSIPよりもUCTD-UIPの方が予後不良.UCTD-IPは組織パターンによって予後が異なる.
LD-CTDについて
診断基準の特徴は肺病変が主体ということ.膠原病を疑う症状,症候が診断基準に入っていない.組織所見が診断基準に入っているのが特徴.
Omote Chest 2015 外科的肺生検を行い,LD-CTDの血清学的診断基準を満たした44例について.57%がUIP,NSIPが30%.
LD-CTD-UIP vs LD-CTD-NSIP
組織所見別予後は NSIP>UIPパターン
AIF-ILDについて
診断基準の特徴:体重減少など非特異的な症状が入っている.炎症所見は臨床的に意味のあるタイターや,比較的疾患特異性の高いANCAなどの自己抗体が入ってる.
2005-2008年連続200例 ⇒152例 IPF 29% AIF-ILD 32% CVD-IP 19% (もともと膠原病もどきが集まりやすい病院?)
予後:AIF-ILDはほぼIPFに一致.画像および組織パターンはUIPが多い.
まとめ
各診断基準と予後との関連(IIPs全体)
Corte criteriaのみがGAP scoreで補正すると予後良好と関連
Assayag Respir Med 2015
※IPAF interstitial pneumonia with
autoimmune features
様々な疾患概念を統一したもの.2015年ERJ報告
A臨床的 B血清学的ドメイン,ANCAは入ってない.一番の問題点は,UIPパターンがIPAF診断基準に入ってないこと=画像および組織学的にUIPパターンを除外する方向性が見える.
第1報 Oldham JM ERJ 2016 144例のIPAF.IPF 18% NSIP 30% COP 60%
肺生検を行った7割がUIPであった.
問題点は後ろ向き研究であるということ.前向き研究が必要.