胸膜プラーク
l 吸収値が筋肉より少し高い程度
l 炎症と違うのは連続性がない
l プラークは肺尖部、costphrenic angleには認めない。
l 側胸部、椎体の横は好発部位。
l 横隔膜がもこもこ
l 心臓の横の石灰化はアスベストに特徴的。横隔膜の石灰化はアスベストに特異的。
l 両側性、連続性がない、costphrenic angleが保たれる→アスベスト―シス。
l 偽病変に注意。脂肪―CT値をみよ。
1/4より広ければ広範囲プラーク
l 胸部XPでI型以上の病変がないと石綿肺とは言わない。(CTでプラーク+線維化は石綿肺とは言わない)
l 石綿肺は高濃度曝露がないと出現しない(現在ほとんどいない)。現在「医学的石綿肺」はほぼいない。認定されているのはIPF+肺がんのcaseでは?
l 病歴で耐火物―アスベストが使用されている、耐火セメント、耐火レンガなど。
l 曝露について:曝露量と、病変の広がりは必ずしも相関しない。時間がたてば広範囲になる、そして石灰化してくる。
l しかし認定では広範囲プラーク+肺がんで認定されている。
l 断熱保温作業―高濃度曝露
l 「chestXpにて明瞭なプラーク+肺がん+1年の職歴」があれば労災または救済制度で認定されている。
l 労災は単純写真first。
l 著しい肺機能障害= %VC <60%
l 良性石綿胸水 労災で救えない人→環境省対象(注:聞き違いかもしれない)
l びまん性胸郭肥厚 胸水が動いている(増減)ときは認定審査の対象にならない。固定化していることが必要。6か月程度変わらない=固定化と考える。
l MPMは病理組織がないと認定はできない(環境省の救済制度は認められない、労災は認められることがあるがややこしい)。こちらで免染までする必要はない。組織を提出すればよい。
l MPMでプラーク合併は3-4割程度と少ない。
l 胸水ヒアルロン酸が10万ng/mlを超えるとMPMが疑われる。
l 気胸で発症するMPMがある。
l 画像所見:Crow’s feetは肺が胸壁に癒着してゆがみがでて生じる。癒着→呼吸機能障害を伴う。
parenchymal bandsは長さ2-5cm(時にそれより短いこともある)の線状影。胸膜肥厚病変より延びる。胸膜病変から放射状に延びるものをcrows feetという。
Parenchymal bandsは様々な疾患で見られるが、最もよく見られる疾患の一つがアスベスト関連肺・胸膜疾患である。同疾患においてParenchymal bandsは①肥厚した小葉間隔壁(肺の線維化を示す)を反映しているかまたは、より頻度が多いのは②臓側胸膜の肥厚や胸膜プラークに関連した無気肺と局所の瘢痕を反映して生じる。
Round atelectasisについて
本文より
円形無気肺(RA)のメカニズム
①folding (pleural effusion) concept
②fibrosing (pleural injury) concept
①胸水の限局的集積による肺実質の圧迫とその後の陥入
②RA形成の初期イベントが局所の臓側胸膜の炎症であることを示唆する。炎症は修復を引き起こし、更に線維化を引き起こす。この臓側胸膜における線維化病巣のその後の収縮は、胸膜下の肺実質のRAをもたらす。現在までこの2つのセオリーがお互いに相補する形で存在している。
我々はRA形成の相加的なメカニズムとしてmicrobronchial distortionを提案したい。細気道の狭窄とその後の末梢のガス吸収+局所の無気肺は、RAが中葉・舌区に好発していること、疫学的に喫煙と関連していることの説明になりうる。
胸膜肥厚と肺線維化の概念と対照的に、このメカニズムは慢性的に持続する病変にみられるその後の退縮の説明も可能である。