2012年7月6日金曜日

第367回熊本チェストカンファレンス

リハを中心とした病院に転勤して,研究会の案内が来なくなった.どんな施設に居ようが気持ちは変わらないよ.それだけは覚えておいてくれ.
75日 子どもの習い事の参観と懇談会.そののち久しぶりに勉強会へ.

熊本国際交流会館にて

熊本中央病院呼吸器外科から

「急性膿胸の外科治療」の演題でミニレクチャー

VATSの適応は,2期線維素膿性期 (fibroprulent phase)の早期である.
多房化を認めるかあるいは発症4週頃の早い時期までに内科的治療に奏功しない症例は適応あり.
肺の膨張が得られるかー死腔を作らないことが重要.

特別講演
肺のリンパ増殖性疾患
演者 天理よろず相談所病院 医学研究所病理 小橋 陽一郎先生

primary lymphoid lung lesionsの分類        Katzenstein, 2006

small lymphocytic proliferations
reactive lymphoid hyperplasia, follicular bronchiolitis, lymphoid interstitial pneumonia, nodular lymphoid hyperplasia, low-grade B-cell lymphoma of MALT

lymphomatoid granulomatosis (LYG)

miscellaneous
posttransplant lymphoproliferative disorders, non-Hodgkin’s lymphomas, Hodgkin’s disease, Intravascular lymphomatosis

 シェーグレン症候群はlymphomaの発生率が高いとされるが,天理よろず病院の病理組織ではcNSIP, fNSIPが多い.MALT1

LIP
ガイドラインで 「リンパ球様細胞が特に肺胞壁に著明に浸潤する」という項目を入れたらLIPと診断される症例は減った.

MALT
正式名称はextranodal marginal zone B cell lymphoma of MALT type

病理でlymphoepithelial lesionがあるとMALTの診断に有用

サルコイド様反応を示すことがあり,診断に注意!

かつてnodular amyloidosisと考えていた症例.アミロイドの間に形質細胞が増加しておりFISH法での検討にてB-cell lymphoma of MALT type with amyloid depositionと診断.

LYG
Nodular, multiple and bilateral
Vascular involvement
Mixed cellular proliferation
lymphoid cells       数はT cell > B cell
plasma cells
histiocyte
現在,小型の細胞はT cellであり,atypical large cellsB cellで,これが腫瘍細胞であることが明らかとなっている.
necrosis (血管侵襲-閉塞による)

Hodgkin’s disease
nodalに病変をおこすので,肺病変はまれ.
Hodgkin’s disease with nodular sclerosis
LYGと紛らわしいものがあった.

そのほか
Peripheral T cell lymphoma with marked eosinophilic infiltration
→chronic eosinophilic pneumonia like reactionを示し,CEPと紛らわしいものがあった.
CD3+, CD 20 -, EBER -, TCRγPCR + →腫瘍性

IgG4関連疾患は,MCDと鑑別が難しことがある.

フロアからの質問:IgG4関連肺疾患の診断基準の中にIgG4/IgG >40%との項目があるが,これを満たさないこともある.
IgGの染色はbackgroundが染まりやすいので抑え気味に染色.逆にIgG4は染まりにくいので賦活化処理をするときれいに染まる.

フロアからの質問:
LIPの悪性化はあるか
シェーグレン症候群のLIP もともとslow growinglymphoma

・移植後の病変について EBVの関与の可能性