2018年10月19日金曜日

2017九州呼吸不全懇話会

古い報告
2017.12.9
福岡エルガーラホール

30回九州呼吸不全懇話会

皮膚筋炎合併間質性肺障害における抗MDA5、抗ARS抗体の意義

PLoS one 2013 8:e60442
ARS抗体陽性ILD
治療反応性、予後良好だが再燃が多い

再燃率
Sasanoら 42%再発
初期治療がステロイド単独で再燃

ARS抗体陽性のIIPの予後はIPFよりも良好で、I-NSIPと同等。

ASS-ILDの画像
NSIP or NSIP with OPパターンが多い
ASS(anti-synhetase syndrome)-ILDでは画像的に可逆性のBE多い
可逆的なBEとは?
胞隔炎の閉塞機転になる肺胞虚脱と関連?

PMの診断基準
IIPにおける経過中のPM/DM発症予測、ILDの予後、再燃リスクの予測など

MDA5とは
感染防御因子に関連する

皮膚筋炎の抗MDA5抗体保有率は木曽川上流の地域と関連

CADM-RP-ILDの生存率は40%
強力な免疫抑制療法の早期開始で70%upする

RP-ILDの重症化を予測する因子
MDA5抗体陽性
皮膚:爪周囲紅斑、手掌紅斑、・・・・
フェリチン高値

MDA抗体

The clinical phenotype associated with myositis-specific and associated autoantibodies: a meta-analysis revisiting the so-called antisynthetase syndrome

Autoimmun Rev. 2014 Sep;13(9):883-91. doi: 10.1016/j.autrev.2014.03.004. Epub 2014 Apr 3.

目的
Peter and Bohan`sのクライテリアを満たす特発性炎症性筋炎の患者におけるARS抗体に関連した臨床的スペクトラムを検討する。
方法
20138月までにMEDLINEEmbaseからコーホート研究を選んだ。
結果
27研究3487例がメタアナリシスに含まれた。関節痛(75%, CI 67-81)ILD(69%, CI 63-74)は、抗ARS抗体に関連した最も多い臨床症状であった。抗Mi2と抗SRP抗体は筋外症状がほとんどないことと関連した。抗ARS抗体は、癌関連筋炎の患者の13%に認められた。非抗Jo-1ARS抗体陽性患者は、抗Jo-1抗体陽性患者と比較して、発熱を呈するOddsが高く(RR 0.63, CI 0.52-0.90)ILDを呈するOddsが高かった(RR 0.87, CI 0.81-0.93)。筋炎の頻度(RR 1.60, CI 1.38-1.85、関節痛の頻度(RR 1.52, CI 1.32-1.76)MH(mechanic's hands)の頻度(RR 1.47, CI 1.11-1.94)は、非抗Jo-1ARS抗体の患者と比較して抗Jo-1抗体を有する患者で約50%高かった。抗PM/Scl抗体を有する患者は、抗ARS抗体を有する患者と比較して、RPh(Raynaud's phenomenon)を呈する頻度(RR 0.70, CI 0.53-0.94) sclerodactylyを呈する頻度(RR 0.47, CI 0.25-0.89)が高かった。ILDは抗U1-RNP抗体陽性患者で頻度が低かった(RR 3.35, CI 1.07-10.43)。ほかのアウトカムに関しては、抗ARS自己抗体陽性患者と、筋炎関連自己抗体陽性患者との間で違いは認めなかった。
結論
ARS自己抗体の存在は抗Jo-1抗体陽性患者群において筋炎、MH、関節痛の高い頻度がみられる、非抗Jo1抗体陽性患者群においてRPhと発熱の頻度が高いというヘテロなサブセットの境界を定める。抗PM/Scl自己抗体と、抗ARS自己抗体陽性患者群のの臨床症状は広くオーバーラップしており、特にILDに関してantisynthetase syndromeの臨床的境界を定めることは困難である。