2017.12.9
福岡エルガーラホール
第30回九州呼吸不全懇話会
皮膚筋炎合併間質性肺障害における抗MDA5、抗ARS抗体の意義
PLoS one 2013 8:e60442
抗ARS抗体陽性ILD
治療反応性、予後良好だが再燃が多い
再燃率
Sasanoら 42%再発
初期治療がステロイド単独で再燃
抗ARS抗体陽性のIIPの予後はIPFよりも良好で、I-NSIPと同等。
ASS-ILDの画像
NSIP or NSIP with OPパターンが多い
ASS(anti-synhetase syndrome)-ILDでは画像的に可逆性のBE多い
可逆的なBEとは?
胞隔炎の閉塞機転になる肺胞虚脱と関連?
PMの診断基準
IIPにおける経過中のPM/DM発症予測、ILDの予後、再燃リスクの予測など
MDA5とは
感染防御因子に関連する
皮膚筋炎の抗MDA5抗体保有率は木曽川上流の地域と関連
CADM-RP-ILDの生存率は40%
強力な免疫抑制療法の早期開始で70%にupする
RP-ILDの重症化を予測する因子
抗MDA5抗体陽性
皮膚:爪周囲紅斑、手掌紅斑、・・・・
フェリチン高値
抗MDA抗体
The clinical phenotype associated with
myositis-specific and associated autoantibodies: a meta-analysis revisiting the
so-called antisynthetase syndrome
Autoimmun Rev. 2014 Sep;13(9):883-91. doi:
10.1016/j.autrev.2014.03.004. Epub 2014 Apr 3.
目的
Peter and Bohan`sのクライテリアを満たす特発性炎症性筋炎の患者におけるARS抗体に関連した臨床的スペクトラムを検討する。
方法
2013年8月までにMEDLINEとEmbaseからコーホート研究を選んだ。
結果
27研究3487例がメタアナリシスに含まれた。関節痛(75%, CI
67-81)とILD(69%,
CI 63-74)は、抗ARS抗体に関連した最も多い臨床症状であった。抗Mi2と抗SRP抗体は筋外症状がほとんどないことと関連した。抗ARS抗体は、癌関連筋炎の患者の13%に認められた。非抗Jo-1ARS抗体陽性患者は、抗Jo-1抗体陽性患者と比較して、発熱を呈するOddsが高く(RR 0.63,
CI 0.52-0.90)、ILDを呈するOddsが高かった(RR 0.87,
CI 0.81-0.93)。筋炎の頻度(RR 1.60,
CI 1.38-1.85、関節痛の頻度(RR 1.52,
CI 1.32-1.76)、MH(mechanic's
hands)の頻度(RR 1.47,
CI 1.11-1.94)は、非抗Jo-1ARS抗体の患者と比較して抗Jo-1抗体を有する患者で約50%高かった。抗PM/Scl抗体を有する患者は、抗ARS抗体を有する患者と比較して、RPh(Raynaud's
phenomenon)を呈する頻度(RR 0.70,
CI 0.53-0.94) とsclerodactylyを呈する頻度(RR 0.47,
CI 0.25-0.89)が高かった。ILDは抗U1-RNP抗体陽性患者で頻度が低かった(RR 3.35,
CI 1.07-10.43)。ほかのアウトカムに関しては、抗ARS自己抗体陽性患者と、筋炎関連自己抗体陽性患者との間で違いは認めなかった。
結論
抗ARS自己抗体の存在は抗Jo-1抗体陽性患者群において筋炎、MH、関節痛の高い頻度がみられる、非抗Jo1抗体陽性患者群においてRPhと発熱の頻度が高いというヘテロなサブセットの境界を定める。抗PM/Scl自己抗体と、抗ARS自己抗体陽性患者群のの臨床症状は広くオーバーラップしており、特にILDに関してantisynthetase
syndromeの臨床的境界を定めることは困難である。