第92回日本感染症学会学術講演会
20180531-0602
岡山市
5月31日
シンポジウム6
CDI診療ガイドライン
フローチャートの紹介
保険などの問題ですぐに実臨床ですべて使えるわけではない。
NAAT検査
承認はされているが、保険適応なし(可能な施設では測定)
菌の性質 耐熱性 水分透過性低下
重症のクライテリアははっきりしない。
菌の性質
耐熱性、水分透過性低下
芽胞→発芽→
芽胞から発芽するときに胆汁酸、グリシン、アラニン、L-システインなどがいる
ToxA(エンテロトキシン、Tox B(サイトトキシン)
A+B+、A+B-は病原性あり。近年A+B-の株もある。
PCRリポタイプ
ITS領域の多様性をPCRでふるい分ける。
018 韓国と中国で少ない
バイナリートキシンを持っている 高くて6.8%まで。必ずしも病原?性高くない。
キノロンやCLDMに対する耐性化が進んでいる。
CDキャリアの存在を忘れない。
伝播経路
近年市中でも。乳幼児。
有病率
1000人入院当たり USA 6.9 vs 日本0.3-5.5人
出征直後から2歳まで その後減る
20-90%定着。
腸管外CDI
全CDIの0.17%(スウェーデン)
病原性の強弱を規定する因子
動物実験ではBがないと下痢はしない。
※下痢とは「24時間以内に3回以上もしくは平常よりも多い便回数で泥状もしくは水様便」
NAAT: nucleic acid amplication test
日本のシステマティックレビュー 2018 ?
CDI再発
定義
30%再発。
再発例が再発の頻度は40-65%
CDI再発のリスクファクター
難治例→明確なコンセンサスがない。
治癒の定義も困難。
治療:
MNZ, VCM CDI治療に有意差なし。
重症患者において有意差あり VCM>MNZ。
再発に対してMNZ, VCMに有意差なし。重症度に関係なし。
有害事象に差はない。
MNZ
神経毒性
10日を超えると神経毒性が出る。投与期間が長かったり、総投与量が増えると出やすい。
再発時の治療にMNZを入れていない。
MNZ 肝でグルクロン酸抱合→腎で排泄
肝障害が出やすい。
重度肝障害、腎障害では血中濃度が低下の恐れ、代謝物は増える。
VCM
排便回数が多いと糞中BVCMが低下の恐れ。
重症型CDIが少ないわが国では予防策が必要か。
日本 消化器のope後
CDADがあると死亡率3.4%、無しでは1.6% 有意差あり。
Fida vs VCM
再発率はFidaが低い
〇再発例、再発リスクの高い症例で選択
〇海外では重症型でも第一選択として推奨
〇わが国では今後費用対効果の検証が必要
プロバイオティックス
〇19 studies 6261例のsystematic review
〇2日以内からの・・・・
便移植
再発予防効果は明らか
安全性に問題あり。今回のガイドラインでは推奨しない。
ワクチン
Phase IIIまで行ったが昨年末で治験中止となった。
CDトキシンに対する抗体
Bに対する抗体のみでよい
再発リスクと薬抗体製剤
リスク因子が高いほど予防効果が高い
院内感染対策
できるだけ個室が望ましいが・・・
空気中への散布、エアロゾルの感染がおこりうる。
環境調査の報告が少ない。
隔離解除
〇下痢がおさまってから少なくとも48時間は接触予防策。
〇異なる期間で比較したstudyは存在しない。
限られた個室をどう使うか。
回数の多い患者、便失禁患者は優先的に。
適切なPPEを。手袋の着用、ガウンは必要。
手指衛生
アルコールはダメか?
IDSAガイドラインでは 流水もしくはアルコール製剤による手指衛生との記載あり。
CDIのアウトブレイク、汚物処理や陰部処置 流水と石鹸がよい。
環境消毒
次亜塩素酸、紫外線照射
塩素製剤は毎日使うべきか
・アウトブレイク時に有効、CDI患者の退室時。
院内感染対策まとめ
エビデンスが少ない、平時とアウトブレイク時の対応は別物と考えるべき。
6月1日
シンポジウム13
多職種による深在性真菌症の診療~AFSの推進と課題~
①宮崎先生
Stewardshipという言葉。支援というよりは履行させるという強い意味がある。
侵襲性アスペルギルス症
VRCZ、L-AMB
併用療法の意義は?
早期介入の重要性(hallo signを見つける
侵襲性カンジダ症
中心静脈カテーテル抜去+キャンディン投与
クリプトコッカス脳髄膜炎
AMP-B+フルシトシン
NEJM 2013
肺のクリプトコッカス症
高齢者では10-15%死亡
したがって治療はしたほうが良い(evidenceはない)
期間:non-HIV 12W 再発無し Kono J inf. Chemo 2014
ムーコル症
L-AMB
早期開始。長く(最低6W)使う。肺切除を追加する。
PCP
HIV evidenceあり。
※ヨーロッパでは農薬にアゾール系を使う。
=耐性アスペルギルスの問題あり!
PCP
人から人へ腔既感染
TBほどではないが、免疫抑制患者にとって問題となる。
Candida auris
治療抵抗性、院内outbreak
接触感染?環境からの感染?
長崎大 泉川先生
C krusei
C glabrata
C.albicans
Action bundleの利用。
6月2日
シンポジウム15
リウマチ性疾患合併感染症の新展開
①
JAK阻害薬(2013年~)
ウイルスの再活性化(特に帯状疱疹)が問題
JAKは炎症性サイトカイン受容体からの刺激を伝えるJAKという細胞内の酵素を阻害。サイトカインシグナル伝達を抑制する。
I型IFN
II型IFNのシグナル伝達もJAKが関与。JAK阻害薬によりIFNの抗ウイルス作用が抑制される。
Cell Mol Life Sci 2017;74:2525-2535.
Tofacitinib(ゼルヤンツ)
Phase2,3 5%(4789例中239例)に帯状疱疹。帯状疱疹によるJAK阻害薬中止は10%。
リスク因子:多変量解析では、年齢、アジア人
Baricitinib(オルミエント)
2つの薬剤とも投与期間の長さに関係なく発症
発症を予測するバイオマーカーなし。
ワクチンによる予防
一般的にJAK阻害薬投与患者では
生ワクチンは避けるべき。
不活化ワクチンは勧められる(肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンなど)。
海外のデータ:RA患者においてTofacitinib投与2週間前の帯状疱疹生ワクチンの接種は十分な抗体価の上昇が期待できる。
日本では生ワクチンは禁忌。
Shingrix
NEJM 2016;375(11)1019-1032.
免疫能の低下した(MTX、ステロイドなど)患者にワクチンの効果は
MTX併用RA患者では上がりにくい。
TofacitinibはMTXの有無にかかわらずワクチンの効果は期待できる。
Rituximabは抗体産生を大きく低下させる。
アバタセプトは抗体産生を阻害する可能性あり。
HZVの抗体価をすべて測定すべきか?
答えはわからない。保険診療の問題もある。
②
RAがあると肺炎が増える。 Odds ratio 1.8
抗IL-6薬による感染症の潜在化。
WBC 9100、CRP<0.3 しかし肺炎球菌で敗血症性ショックをきたした症例あり。
RAの肺炎。起炎菌の頻度
1.肺炎球菌
2.インフルエンザ菌
3.緑膿菌
生物学的製剤や免疫抑制剤使用RA患者のPPSV23接種予防効果について
多糖体ワクチンでは肺炎の減少効果なし。
PCV13は?エタネルセプト投与中でも抗体価は上昇する。ただし高齢者では効果低い
MTX投与中にPCV13→抗体産生細胞に差はないが、抗体価の上昇が不良。
RA患者の院内肺炎
PCP
TLR2依存性(マウスの研究)
活動性RAの末梢血、滑膜組織ではTLR2の上昇あり。CD3/TLR2、CD16/TLR2。
末梢血の単球 TLR2の発現が上昇。 RA-IPのある患者。
ちなみにTLR2 GP菌、TLR4 GN菌。
骨軟部組織感染症
高齢発症RAは進行が早く、関節破壊が強い。→しっかり治療すべし。88歳の人工関節置換術症例の提示。
人工関節置換術後の感染 起炎菌は ブ菌、CNS(MRSAも念頭に)
感染は膝関節よりも肘関節や足の関節に多い
⑤
HBV reactivation
cccDNA(完全閉塞二本鎖DNA) 検出できない点が問題
(※筆者メモ ヒトの肝細胞に感染するとRC-DNAは核に運ばれ,宿主の遺伝子修復経路により,完全二本鎖の閉環状DNA(cccDNA)を形成する.このcccDNAから,ウイルスの複製に必要なRNAが転写される.)
denovo B型肝炎
再活性化
①HBsAg+
②既往感染=denovoB型肝炎 劇症化しやすい。
リスク
Rituximab。特にステロイド併用。
ガイドライン2017
HCVと異なり、HBVの完全排除は困難。ステロイド5mg/day以上が帯状疱疹のリスク因子(MTX、Bioは差がない)
女子医大では異なるdata Tofacitinibが他のbio製剤と比較してリスクが高い。
メモ
HBc抗体陽性の場合は、HBsAg陰性でも肝内でHBVの増殖が持続している。免疫抑制剤を使う場合HBc抗体をスクリーニング検査で用いる。
HBV-DNAが5log copies/ml以下なら肝炎はおきない。
6.播種性帯状疱疹
播種性とは3分節以上の場合。空気感染対策が必要。
帯状疱疹は皮疹の出る2日前よりウイルスが排出される。
PCPも腔既感染する。
細胞性免疫の低下
ウイルス、細菌感染など
液性免疫の低下
Pneumococci
H.influenzaeなど
6月2日
教育講演14
CRE地域疫学調査からわかったこと
2014年大阪医療センター
114人中23人死亡。
その頃はプラスミドによる伝播の概念がなかった。
IMP-1型 CPE(CREのことを以後はCPEということにする)
IMP-6型 E.coli 56%、Kleb 37%
タイではタイプが経年的に変わってきている。日本はIMP-6
ランチョンセミナー19
結核診療におけるIGRA検査の有用性
T-SPOT
シンポジウム12
キャッチアップしたい結核・抗酸菌症に関する最近の話題
AFBについて
NTMと画像
M. abscessusは7年前より患者数が5倍増加
①MAC症とTBの比較
MAC症で有意な所見
BE
Small nodule
Massive shadow with BE
②動物モデルの作成
マウスモデル
BALB/cマウスを使用
NTMをマトリゲルにくるんで肺内に直接注射。モデルが作成できる。PBSを使用するとばらける。モデルがうまく作れない。
動物モデルをRE+CAMで治療。
良くなるが完全に菌が消えることはない。
abscessus
感染→病変は早く形成される→対側肺にも病変形成。意外とマウスは元気。
病理組織:peribronchialに病変形成。
カルバペネム+クラブラン酸併用で抗結核活性を持つことに注意。誤診につながることがある。
5月31日
ランチョンセミナー1
SHINGRIX
高齢者の?3人に1人がreactivation
ウイルスはdorsal gangliaに
50歳以上の日本人成人90%以上が抗体を持っている。
帯状疱疹の合併症:
PHN=帯状疱疹後疼痛。定義は「発症して90日以上続く疼痛」。頻度は30%の患者。
HZO:herpes zoster ophtalmicus。
Shingrixのearly phase II
Pivotal phase III
ウイルス表面のグリコタンパクE(gE)を標的とした抗体。
構造:MPL+Liposome+QS21
2か月後に2回目を接種する。
9年経過時点でも細胞性免疫は維持される
2015、2016年 NEJMにて発表。
Phase III
開発から20年経過した。
対象:50歳以上の患者。18歳以上の免疫不全患者。
ZOE-50試験。50歳以上を対象。
ZOE-70試験。70歳以上を対象。
4年目でもワクチンの予防効果あり。50歳以上 93.1%、70歳以上 87.9%
PHNの予防効果 70歳以上で88.8%
安全性
Serious adverse effect Shingrix12.8% Placebo 13.3%
局所の反応 50-69歳
疼痛(軽症から中等症) Shingrix85.6% Placebo 8.6%
発赤 Shingrix38.5% Placebo 2.7%
腫脹 Shingrix28.5% Placebo 0.8%
全身性有害事象
倦怠感、発熱、頭痛、筋肉痛、shivering
40%の患者にワクチンを打つ。2回目接種率が95%であったとすると、3,338,693例の帯状疱疹の発症が回避される。2回目接種は2-6か月後。
CDC ACIP recommendation
対象患者
〇免疫抑制状態にある50歳以上の成人。
〇生ワクチン接種歴のある成人。
〇生ワクチンと比較してShingrixの接種・・・
現在ワクチンの効果は4年間みている。
会場からの質問
リポソ-ム製剤である意義→キャリアとして使用しているのみ。
価格はまだ不明
5月31日
招請講演2
Type 17 immunity in the Lung: Implication for novel vaccines.
略
6月1日
7:30-8:30
緊急企画シンポジウム
「忘れかけていた麻疹の流行」
①麻疹の現状と今一番大切なこと 2018年
多尾先生
②沖縄麻疹アウトブレイクの最中から見た教訓:転んでもタダでは起きません
椎木(しいき)先生
③愛知県における麻疹の発生状況
安井先生
①
麻疹の経過
発熱、カタル期 →コプリック班
下がりかけた発熱はすぐに上昇。皮疹、紅斑は癒合、
修飾麻疹
移行抗体を持つ乳児。
ワクチンによって誘導された免疫が不十分。
ヒト免疫グロブリンを投与されていた患者
軽症。IgMは陰性、IgGは高い。
関西空港の事例。IASR 2017;38:48-49.
金沢の小学校の事例。IASR 2018;39:55-57.
IASR 2018;39:59-60.
現在福岡では20週で162人の発生。
1972年10月1日生まれまで定期接種なし。
1972年10月2日から1990年4月1日まで1回接種。
1990年4月2日から2013年・・・
2回接種
28歳から44歳 1回接種 修飾蕁麻疹
6歳から26歳 2回接種の機会あり。しかし未接種が多い。
20-40歳代が多い。
今年はタイで感染が多い。
イタリア2018年1から2月で411人。
フランス2018年1月から2月で700人越え。
麻疹が発生した時の対硫黄。
〇1人発生したらすぐに対応。
〇全例観察・・・・
院内の空調を調べることが重要。
修飾麻疹は空気感染対策はいらない?
同じ空調→全員が暴露と考えよ。
曝露後5~21日間は毎日朝、夕の検温を依頼。
小児37.5℃以上、大人37℃以上は発症の可能性があると考え対応。
②
沖縄。1例目は観光者。
コプリック斑:斑というほど大きくない。ゴマ塩を振った様。5月9日(?)以降は新規発生無し。
99例の発生。3/4は成人。ワクチン2回接種例は9%、1回接種21%。ワクチン接種歴で除外できない!
1か月以内の海外渡航歴があり、発熱、発疹の2つがあれば陰圧室に入れる。
修飾麻疹の症例
30歳、女性 足のみの発疹。PCR陽性。
正しい診断よりも麻疹を考えた正しい行動が有用なこともある。
沖縄中部病院
109人みて10%が麻疹だった。
ワクチン麻疹:ワクチン接種後1週間程度で症状が出る。
麻疹患者の75%が成人だったのに対して、麻疹疑い例の75%が未成年であった。
愛知県
24例発生
沖縄 から戻ってきた患者。A病院、B病院受診。
タイからの持ち込み例もあった。
1-39歳
A病院 9例発症
B病院 3例発症。
10歳代 29%、20歳代 29%、30歳代 33%。
ワクチン接種なし33%、1回接種42%。
愛知県
10-29歳
そのうち20% 抗体価の上昇がない人がいる=発症のリスクがある。
抗体価 128倍?が有効と定義。
5月31日
招請講演1 (途中から参加)
Infectious disease and IDSA Priorities and Global Impact Lokking Ahead
抗菌薬の使用
70%が動物、30%が人。
Candida auris
Fungi 農業でアゾール系抗菌薬が使用されている。耐性化に関与しているかも。
TB
Bedaquiline 新しい薬剤が開発中。
Van Cleaf PLOS one 2012
オランダとドイツ
MRSA封じ込め戦略をしているオランダ
アメリカ
新薬開発が少ない。少ない症例での治験でも認める、特許の延長などで開発の誘導。新薬開発の動きがある。
1998年から2018年 新しい抗菌薬は20? 4つは撤退。
新しい薬剤カテゴリーのもの
リネゾリド、ダプトマイシン、Ceftaszidime/avibactam、Meropenem/・・・
新薬を開発しても、適正使用の問題で使用しない動きがある。
どうやって開発を促すか。市場参入へインセンティブを与える。
感染症医(ID)
給料が安く、減ってきている。
6月1日金曜日
三学会合同サーベイランス報告
呼吸器感染症
K pneumoniae ESBL産生菌 増加傾向はない
2015年 複雑性尿路感染症について
明らかな基礎疾患なくてもよい。膿尿 ≧10000 CFU 。自覚症状のあるもの、体外カテーテルは除外。
833例が解析対象。E coliが多い。次にESBL産生・・・
①E coli
LVFX rsisitant(MIC≧8) 2008年 28,6%、2011年 29.6%、2015年 38.5%と増加傾向。
ESBL産生大腸菌増加傾向。K pneumoniaeも増加傾向。
緑膿菌のLVFX耐性 2008年35.1%、2015年14.5%。減少傾向。
E faecalis
LVFX耐性は減少傾向。
VREは検出されず。
MRSA VCM感受性あり。VCMの低感受性は増加傾向。
ホームページ作成している。
S pneumoniae
PRSP 2010年までは15.3%、それ以降は4.9%で低下傾向。
緑膿菌MDRPは減少(0%)
MBLも低下。
6月1日
特別企画 スペイン風邪大流行、そのインパクトとウイルスの解析(途中参加)
5,000万人の死亡。
菅谷先生
人工的にスペイン風邪ウイルスを作成した。
1918年ウイルス 2001年ウイルスを それぞれサルに投与した。
1918年ウイルス群:3日目に食欲低下→8日目にはすべて死亡。上気道、下気道にウイルスを検出した。個体によっては他臓器にも。肺に出血を伴う。ウイルスが肺に認められる。
一方2001年パンデミックウイルス投与群では、day3でタイプI IFN刺激遺伝子が発現上昇。その後は発現抑制。1918年ウイルスでは発現が弱いかその後も発現抑制が認められる。
H7N)鳥インフルエンザウイルス
中国 感染者1625名、623名死亡。
第五波、第六波は激減
2013年低病原性→2016年高病原性に変わった。
2016年12月人に感染。高病原性 感染者32名。死亡は不明。
H7N9トリ→ヒト
ヒトからヒトへ効率よく伝播しない。
哺乳類間で飛沫感染をするか?
フェレットの実験
ケージに一匹ずつ ペア
2009年pandemic 3ペアとも飛沫感染をおこした。
H5N1感染しない。
低病原性H7N5 3ペア中1ペア感染
高病原性H7N9 4ペア中3ペア感染
感染した4フェレット中2例死亡。解剖すると肺にウイルス抗原陽性。個体により脳幹でも抗原陽性のものがあった。→少量のウイルスが体に入っても致死的な感染症をおこしうる(パンデミックポテンシャルあり)。
既存の抗インフルエンザ薬は効くか?
オセルタミビル、ラニナビル、ザナミビルはいずれもウイルスはあまり減らない。
ファビピラビルは全くウイルスを認めなくなった。
即ちNAP阻害薬の効果は限定的。ポリメラーゼ阻害剤は効果的。
会場より質問:ゾフルーザはどうか? 検討予定。
6月1日
招請講演5
オートファジー:感染症などの疾患に対抗する細胞の守護者
大阪大学医学系研究科遺伝学 吉森 保先生
細胞質内にIsolated membraneが突然できる。
↓
Autolysosome 数時間でできる。
唯一、一過性に消えるオルガネラである。
1963年 オートファジーという言葉。
2005年頃から急速に論文数が増えた。ブレークスルーとなったのは1993年大隅先生が酵母をつかってAtg遺伝子を同定したこと。
吉森先生は哺乳類のオートファジーの研究をしていた。助教授に招いた。
オートファジーの役割
・細胞成分の代謝回転
・有害物質の隔離除去
・細胞成分分解による栄養源確保
選択性のあるオートファジー
オートファゴソーム結合たんぱく質LC3の発見により、顕微鏡下で観察できるようになった。
オートファゴソームはどこから形成?
オートファゴソームは小胞体とミトコンドリアとの接触部位において形成。
Xenophagy
A群連鎖球菌は5hrで8割がkill。オートファジーが細胞に侵入したA群連鎖球菌を殺す。=自然免疫の一種。
ポリオウイルスはオートファジーを利用して増殖することがわかっている。
選択性はどこから?
→様々な細菌は、エンドソームを使って細胞内に侵入。エンドソームに穴をあける。これがトリガーになる。ユビキチンがTagになる。エンドソームに穴が開くと、ユビキチンがリクルートされる。
以上は上皮細胞の話。内皮細胞ではオートファジーによる菌の貪食はおきない。=ユビキチンが低下している。
Lysophagy
オートファゴソームが損傷リソソームを囲い込む。
Rubiconタンパク:オートファジーを負に制御。高脂肪食→ルビコン低下
ジュベール症候群(遺伝子疾患):オートファジー低下。
6月2日
第281回ICD講習会
AMR対策 アクションプランを踏まえた各施設の感染対策の取り組み
腸内細菌 E coli、Kleb、Proteus、Enterobacter 内ESBL産生菌は8例。腸内細菌菌血症の12%台
狭域から考えていく。Escalation
カルバペネムはESBLなど
耐性菌の標的抗菌薬を考えてよいのでは
佐賀医大ではカルバペネムの使用量が少ない。
中浜医院
風邪で抗菌薬処方 ≦30%
開業医 72.1%、勤務医 88.3%
上気道感染症
2006年→2015年 抗菌薬35%減
20%程度に抗菌薬希望患者あり
ウイルス
咽頭後壁にリンパ濾胞→ウイルス性
扁桃は両側性。軟口蓋への炎症は少ない。白苔は白い。
迅速抗原検査
スイッチ療法:最初の3-4日間はdiv.その後は経口薬へ。
単純性膀胱炎:FOM 0.5g 2Tx3 /2TD
FOMは大腸菌への感受性あり。
皮膚外用薬の使用
表面から1mmまでしか浸透しない。膿痂疹には使わない。イソジンを塗布している。
3.小倉記念病院
KRICT
施設になじまないガイドラインの導入は危険。
細菌検査 どんな自動機器を使用しているか知っておくこと。