Interaction between Asthma and Lung Function Growth in Early Life
Am J Respir Crit Care Med 2012; 185: 1183–1189.
背景:喘息と肺機能低下の間の因果関係は、知られていないが、予防措置の焦点と喘息の起源の研究にとって重要である。
目的:出生から7歳までの肺機能の成長と喘息の間の相互作用を分析すること。
方法:小児喘息のコペンハーゲンProspective Studiesは、リスクのある411人の小児の出生コホートの前向きな臨床試験である。肺活量測定を403人の(98%)新生児,7歳までに再度317人の小児(77%)に対して行った。
測定と主要な結果:新生児肺活量測定とメサコリンへの気管支反応は、鎮静を行いFV測定にて施行した。喘息は日々の日記カードとクリニックへの6ヵ月ごとの訪問にて,前向きに診断された.7歳までに喘息を発症した小児(14%)は,新生児期にすでに有意な気流低下を呈した(FEF50=努力性呼気中間流量は、生後1ヵ月までに0.34のzスコア減少が認められた;P = 0.03)。この障害は幼児期の間に有意に進行した(新生児におけるFEF0.5は、7歳までに0.82のzスコア減少が認められた;P <
0.0001).以上のデータは喘息に伴う気流低下の約40%は出生時存在し,一方60%は喘息を伴って進行することを示唆している.アレルゲン感作を除いて,環境タバコ暴露もまた気流成長を妨げた。新生児におけるメサコリンへの気管支反応性は、喘息の発症と関連があった(P = 0.01).
結論: 7歳までに喘息を発症した小児は、肺機能障害を示し、気管支反応性が亢進した。この肺機能低下は、7歳まで進行した。従って、喘息の起源と予防の研究は、出生前後の早期の状態を考慮しなければならない。
考察
7歳までの喘息発症(または”persistent
wheeze”)に関連した肺機能低下の約40%は出生時にすでに存在.このことは喘息が早期にプログラムされているという仮説を考慮すべきである.すなわち肺機能低下を予防するために,出生前のメカニズムに焦点をあてるべきである.喘息に関連して出生後に肺機能が低下することから,出生後早い段階で気道のリモデリングを修飾することが,喘息研究の主要な焦点となってきた.