2012年6月1日金曜日

成人septic shock患者においてrecombinantヒト活性化プロテインC(ドロテカンα)の効果はない


N Engl J Med 2012;366:2055-64.

背景
リコンビナントヒト活性化プロテインC (drotecan α (activated)) (DrotAA)のseptic shock患者に対する治療効果については,対立する報告がある.


方法
多い施設共同無作為二重盲検比較試験.
1697名の感染,全身性炎症とショック状態にある患者で,4時間で閾値以上の輸液,昇圧剤が使用されている患者.
DrotAA (at a dose of 24 μg per kilogram of body weight per hour),
またはプラセボを96時間投与.
プライマリアウトカムはrandomizationのあと28日の全死亡.

結果

 28日死亡:

DrotAA群 846名中223(26.4%)   

プラセボ群 834名中202(24.2%) が死亡.

(DrotAA群のRR 1.09; 95% CI, 0.92 to 1.28; P=0.31 )


90日死亡:

DrotAA群 842名中287(34.1%)   

プラセボ群 822名中269(32.7%) が死亡.

(DrotAA群のRR 1.04; 95% CI, 0.90 to 1.19; P=0.56 )


ベースライン時にプロテインCが高度に減少していた患者群での検討

28日死亡:

DrotAA群 98名中342(28.7%)   

プラセボ群 102名中331(30.8%) が死亡.

(DrotAA群のrisk ratio 0.93; 95% CI, 0.74 to 1.17; P=0.54)


同様に死亡リスクの増加した群などあらかじめ定義していなかったサブグループおいても,28日死亡率と90日死亡率は有意な差はなかった.

 治療期間中に出現した重篤な出血は,DrotAA群 10,  プラセボ群8名であった(P=0.81).


結論

septic shock患者においてDrotAA群はプラセボ群と比較して,28日死亡,90日死亡のいずれも有意に減少させなかった.

(Funded by Eli Lilly; PROWESS-SHOCK ClinicalTrials.gov number, NCT00604214.)