N Engl J Med 2012;366:2466-2473.
背景
外科的処置が感染性心内膜炎で全身性塞栓症を防止するタイミングと適応は、論争中である。我々は、感染性心内膜炎患者において早期手術と従来の治療の臨床結果を比較するために試験を行った。
方法
我々は、左心系感染性心内膜炎、重篤な弁疾患とlarge vegitationを有する患者を,早期手術群(37例)または従来の治療群(39例)に無作為割付けした。
主要エンドポイントは、ランダム化の後6週以内に起こった,院内死亡と塞栓イベントの複合したものであった。
結果
早期手術群に割り当てられたすべての患者はランダム化の後48時間以内に弁手術を受けたが、従来の治療群の30例の患者(77%)は入院初期(27例)、またはフォローアップ期間中(3例)に手術を受けた。
主要エンドポイントは、従来の治療群で9例(23%)と比較して、早期手術群で1例(3%)に起こった(危険率、0.10; 95%信頼区間[CI]、0.01~0.82; P=0.03)。
早期手術群と従来の治療群における6か月の時点での全死亡率には有意差がなかった(3%と5%、それぞれ;危険率、0.51; 95%CI(0.05~5.66); P=0.59).
6ヵ月の時点での全死因死亡と塞栓または感染性心内膜再発の複合エンドポイントの比率は早期手術群において3%,従来の治療群において28%であった(危険率、0.08; 95%CI、0.01~0.65; P=0.02).
結論
従来の治療と比較して、感染性心内膜炎とlarge vegitationを有する患者における早期手術は、全身性塞栓症のリスクを効果的に低下させることによって、有意に全死因死亡と塞栓イベントの複合エンドポイントを減少させた.