2013年5月15日水曜日

antisynthetase症候群における肺高血圧:有病率、病因と生存

ASS (antisynthetase syndrome)に関しては,以前このブログで触れた.
http://edukobiyori.blogspot.jp/2012/12/antisynthetase-syndromemgh-medical.html

ERJに肺高血圧症に関する報告があったので掲載する.

Pulmonary hypertension in antisynthetase syndrome: prevalence, etiology and survival.
Eur Respir J erj01563-2012; published ahead of print February 8, 2013

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Antisynthetase症候群(ASS)は、様々な抗-tRNA-合成酵素抗体を伴った筋炎と間質性肺疾患(ILD)の合併によって特徴づけられる。
肺高血圧症(PH)の発生、病因と予後はまだ評価されていない.
203人の連続した患者において、超音波心臓検査(TTE)と右心カテーテル法(RHC)の結果を、臨床生物学的、形態学的,および機能的なパラメータを考慮しつつ、後ろ向きに分析した。
PHの定義はESC/ERS 2009ガイドラインに基づいた。そして、重篤なPHは平均肺動脈圧(mPAP)>35mmHgと定義された。
TTEにてPH47例(23.2%)で疑われた.possiblen=2713.3%)、likelyn=209.9%)であった.
RHC21例の患者で行われた。5例でPHが除外され、16例(7.9%)で前毛細血管性PHを確認した。
すべての症例においてILDとの関係があったが、前毛細血管性PHは重症が13例(81,3%)(平均mPAP46±9mmHg)であり,しばしば低い心係数(平均2.3±0.8l//m2)と高いFVC/DLCO比率(2.5±0.6)に関連した.
PHは明らかに低い生存と相関し(p < 0.001),3年生存率は、58%であった.
ASSにおけるPHの発症は、有意で予後を劇的に悪化させる。
系統的にILDと関連するにもかかわらず、PHは通常重症であった.そのことは特異的な肺血管性病変を示唆した。



PH-ILDを有するこれらの患者の81.3%は重篤なPH(mPAP>35mmHg)を示した。そして、それは肺実質病変と不釣合いである.⇒ASS関連のPHは一部,特異的肺血管病変が関与した可能性が示唆される.
 (抗Jo1抗体陽性のASS患者血清は,vitroで血管内皮細胞を活性化させるという報告もある)