でも実地診療では十分な量を投与し患者の状態を見ながらできるだけ早く中止するというスタンスが正解だろう.経口predonisone40mg/dayが至適容量なのかはわからんが.
ステロイドは不要か否かを常に判断しながら投与すること.いつまでたってもたらたらステロイドを使用しているCOP/BOOP,放射線肺障害の治療をみると無性にイラつく(減らすと再増悪するcaseがあるのはわかるが)のは俺だけか?
Short-term vs Conventional Glucocorticoid Therapy in Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
The REDUCE Randomized Clinical Trial
JAMA. 2013;309(21): 2013-5023.
Importance
国際的なガイドラインは、COPD急性増悪に対し、7~14日の全身グルココルチコイド療法を提唱している.しかしながら、ステロイドの最適投与量と投与期間はわかっていない.
Objective
COPD増悪患者における短期(5日)全身グルココルチコイド治療が,臨床的アウトカムに関して従来の(14日)治療と非劣性であるか,そして、それがステロイドへの暴露を減少させるかどうかを検討する.
試験デザイン,設計と患者
REDUCE
(Reduction in the Use of Corticosteroids in Exacerbated COPD)試験. 5つのスイスの教育研究病院にて行われた,無作為,非劣性他施設試験.2006年3月から2011年2月までの期間.救急治療部を受診したCOPD急性増悪患者314例の患者を登録.喘息の既往歴なし.past or present smokers(0 pack-years以上).
介入
プラセボ対照、二重盲検試験.
5または14日間の40mgのprednisone治療。
あらかじめ定義された非劣性基準は多くて増悪増加率が15%.そして、50%のreference event発生率に対して1.515のcritical hazard ratio.
Main
Outcome and Measure
180日以内で次の増悪までの時間.
Results
入院となった314例の無作為抽出患者(289人(92%)は入院)のうち、311例はintention-to-treat解析,296例がper-protocol解析を行った.短期治療群対従来治療群に対する危険率は、intention-to-treat analysisにおいて0.95であった(90%CI、0.70~1.29; P = .006,非劣性に関して) .そしてper-protocol analysisにおいて 0.93 (90% CI, 0.68 to 1.26; P =.005,非劣性に関して)→我々の非劣性基準を満たしていた.
短期群において、56例の患者(35.9%)は、primary end pointに到達した; 従来治療群は57例(36.8%)がprimary end pointに到達した.
180日以内の再増悪率は、短期群37.2%(95%CI、29.5%~44.9%); 従来治療群38.4%(95%CI、30.6%~46.3%)であり,その差は-1.2% (95% CI, -12.2% to 9.8%)であった.
再増悪患者における、再増悪までの期間の中央値は、短期群で43.5日(四分位範囲[IQR]、13~118),従来群29日(IQR、16~85)であった。
両群間で死亡までの時間,増悪または死亡あるいはその両者と肺機能の改善の複合エンドポイントに差はなかった.
従来治療群において、平均累積的なプレドニゾン用量は有意に高かった(793mg[95%CI、710~876mg]対379mg[95%CI、311~446mg]、P< .001)、しかし、治療関連の副反応(高血糖と高血圧を含む)の頻度はそれほど頻回ではなかった.
Conclusions
and Relevance
COPD急性増悪にて救急治療部を受診した患者において、6ヶ月以内のfollow-up期間における再増悪に関して,全身性グルココルチコイドによる5日間の治療は、14日治療に対して非劣性であった.更に,有意にグルココルチコイド暴露を減らした.これらの所見より,COPDの急性増悪に対し、5日間のグルココルチコイド治療が支持される.