東京国際フォーラム
メモより
4月19日(金)
ランチョンセミナー1慢性線維化性特発性間質性肺炎をめぐる最新知見
CAPACITY試験
PANTHER試験:NEJM triple therapyの効果なし
ピレスパ 58% appetite loss, nausea
PPI投与中の患者は消化器症状少ない?
TOMORROW試験:BIBF1120,NEJM 2011;22:365, 1079-87
INSIP 2008 AJRCCM statement 67例のreport 独立疾患として確立
CPFE 約半数にPHあり
Flaherty KRの報告は面白い
外科的肺生検にて1か所でもUIPがあれば,すべてがUIPと同じく予後不良.
UCTD,Kinderら
2013
Travis2002のupdate
●Rare IIPs
Idiopathic LIP
Idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis
●Unclassifiable IIPs
Variant of OP with supervening fibrosis
●Rare histologic pattern
AFOP
Bronchicentric pattens of IP
教育講演5
iPSと呼吸器再生医療の現状
幹細胞
間葉系細胞 → 前駆細胞 → 成熟細胞
iPS
細胞数 確保しやすい 多くの確保困難
細胞種 少なくてすむ 多くの細胞種必要
奇形腫 危険大 危険小
Schweitzer 2010
肺気腫モデルに対する治療Andrade 2007 肺の鋳型を作って・・
Petersen 2010 脱細胞肺組織を用いる方法
LAM, BHD synd.
教育講演6
肺の小葉,細葉からみた間質性肺炎の画像診断
教育講演7
特発性上葉限局性肺線維症
1992年「呼吸」にて報告.報告例は,肺尖部の非特異的線維化像のみ.IPの所見なし.85年10月21日65歳,女性の症例.その後家族内発症の症例(4兄弟―1名女性).体型,胸が薄い,気胸を発症した例は少なくとも2例.
画像:胸膜から胸膜直下にかけて帯状に広がる病変.病変は突然正常の領域に移行する.
病理:肺胞構造が折りたたまれた様.気腔内器質化所見.
17例をまとめると,①やせ型が多い,②HLA-B27
(-),③%VC低い,④pneumothorax 1/2以上の症例で繰り返す,⑤かなり進行しないとPaO2は低下せず,⑥蜂窩肺は認めない,⑦10~20年で死亡するcase多い,⑧アスペルギルス感染2例
イブニングシンポジウム5
慢性呼吸不全に対するNPPV~新しい治療戦略~iVAPS
目標肺胞換気量設定 (肺胞換気量→死腔換気量を除く)
iBR バックアップ回数
PSが変動
iBRの2/3以下になるとバックアップ回数まで徐々に上がる
設定は,①目標肺胞換気量,②PSmin,③PSmax
呼気CO2モニター 60-70万円
欠点:PaCO2>60では信頼性に欠ける
経皮CO2モニター
信頼性はあるが高価.200万円程度.携帯性に欠ける.測定が煩雑.
更にCO2モニターはコストが取れない.
4月20日(土)
教育講演9神経筋疾患の呼吸管理
重症肺胞低換気,NPPV使用患者など
EtCO2よりTcCO2がPaCO2を反映
デュシャンヌ型 呼吸器なしでは20歳代で死亡.NPPVの登場により40歳代まで生きられるようになった.
カフアシスト(咳介助)の有用性
MI-E 2013年には新しい機器が使用可能となる
教育講演10
ARDS病態解明・治療の最前線東北大学 久保先生
Ware LB NEJM 2000; 342: 1334-1349.
1994 AECC
ALI
P/F ≦300
ARDS P/F ≦200→ 臨床試験が行われる
Intervention
死亡率の低下に関して Vt 6 ml/kg vs. 12 ml/kg, Lower tidal volumeの有用性
ALVEOLI PEEP圧 →ダメ
ARDSの治療ターゲット
・どこが障害されているか
・診断能力
ARDS? Aex of IP?
・原疾患がコントロールされているか?
・肺傷害はどの段階にあるのか?
II型肺胞上皮細胞の修復段階?線維化の進行期?
Berline definition
1w以内の発症+両側性浸潤影
P/F with minimal PEEP 死亡率(%) DAD(%)
Mild
200-300
27 12
Moderate
100-200
32 40
Severe
≦100 45 58
(JAMA 2012, AJRCCM 2013)
診断基準はARDSの枠組みを示すのみで,治療方針を示すわけではない.Steroidの使用について.効果あり,なしの報告.見ている病態が異なるから?
ARDS
遺伝子多型
バイオマーカー:
内皮細胞 VWF-Ag
上皮細胞 SP-D
炎症性サイトカイン
凝固系
→炎症なのか,上皮の傷害なのか,内皮の傷害なのか,線維化が起きているのか,などがわかる可能性あり.
Traumaの症例で,ARDSと他の疾患との鑑別(J Trauma・・・)
RAGE
PCPIII
LNG2
L-8
TNFα
BNP
バイオマーカーで発症の予測できないか?
Agrawal A AJRCCM 2013; 187: 736-742.
Angiopoetin
IL-6 6hr後にARDSをおこすか否かの予測可能.
LIPS (lung injury predictor score) 5点以上はALIのhigh risk AJRCCM 2011; 183: 462.
発症予防
2011 AJRCCM
10万人当たり83.4/年→38.9/年
ARDSの予防
・低容量換気
・血漿輸血(male donor - only FFP) 女性は抗白血球抗体が含まれる割合が多い.男性はない.
・人的資源の投入
・4時間以内の抗菌薬
→hosopital acquired ARDSが減少
Post-ARDSについて
長期予後は?~5年
1.呼吸機能障害(拡散能低下)
2.神経・筋障害
3.認知機能低下,精神的障害
→QOLに影響.
その他
診断基準にて病態の把握ができない.従って
ARDS netでは今後fineなデーターは出ないのではないか.
教育講演11
悪性胸水の病態と治療―state of the art―Malignant cellが胸腔内に移行する機序
①VEGF
②CD44-HA(ヒアルロン酸)を介する機序
多くのmalignant cellはCD44を発現
2010 BTS guideline
体位変換は意味なし
Implantationの機序
PDGF-BBが増加.肺がん細胞はレセプターがないのでimplantationおきにくい.胸腔の慢性炎症→壁側胸膜下脂肪織が増生する.
胸水は壁側胸膜におけるリンパ開口 stomataより吸収.Stomaは主に肋骨やvertebraに付近に開口(動物の報告).ヒトの胸水はstomaを介して吸収.
胸水中にasbest bodyがあるとstomaを介して壁側胸膜化へ.そこでサイトカイン等を産生.
胸腔 正常では5-10μm シアロムチン,ヒアルロン酸あり.シアロムチンはマイナスに荷電.壁側胸膜と臓側胸膜はお互いマイナスに荷電するため,接着しない.
教育講演12
これからの呼吸器感染症のワクチン戦略Definition and management of COPD exacerbations
教育講演13
喘息における分子標的薬教育講演14
工業用ナノ材料を含めた超微粒子の生体への影響
PM 2.5について
2.5μm以下の粒子(空気力学径)
髪の毛は直径7μm,したがって髪の毛の1/30~1/40
日本の環境基準:1日平均値 35μg/m3以下
日本のPM2.5は年々低下
日本のPM2.5のbackground値は高い.
喫茶店 PM 2.5 800μg/m3,分煙した禁煙席は70μm/m3
(外出制限を推奨されているレベルは1日平均で70μm/m3を超える時である!)
ナノ粒子
フラーレン Cが60個集まる.
2009年 ERJ Songら
Nanoparticles 7名に肺線維症,そのうち2名死亡.
ナノ粒子による障害
ナノ粒子パラダイム:サイズが小さい粒子.表面積が広い.→肺障害を引き起こす.
ファイバーパラダイム:細くて長い繊維状物質化構造が肺障害を引き起こす.
教育講演15
生物学的製剤使用時の呼吸器感染症TNFα 肉芽種形成に重要.→抗TNFα薬により被包化乾酪巣の崩壊→内因性再燃
PCP:344例発症,48例死亡.
生物学的製剤使用時のPCPのコンセンサス:①それ自身の組織障害性は少ない,②宿主の免疫応答が組織障害に関与.
NEJM 2004; 350: 24.
Colonization:COPDでは20-55%という報告あり.β-D glucanは補助診断,単独で使用しない
グロコット染色:特異度は高いが感度は低い
教育講演16
広域周波オシレーション法の実地臨床での応用
ガイドラインセッション1
COPDの診断と治療のためのガイドライン第4版1.疾患定義の加筆修正
2.COPDの疾患概念のupdate
3.薬物治療のupdate
4.増悪の重要性
5.運動耐容能から身体活動性への概念の変化
6.災害などへの対応
7.その他
エビデンスレベルの付記
気流制限,気流閉塞の用語→ガイドラインでは気流閉塞を採用.気流制限:呼吸生理学的な使用.
Overlap症候群.
CPFE 気腫合併肺線維症:ガス交換障害,肺高血圧症が発症,LC合併多い
NEJM 2011; 364: 897-906.
症例検討会1