2012年5月10日木曜日

Whistling in the Dark.

N Engl J Med 2012; 366:1725-1730.
NEJMに掲載されたInteractive clinical case.
38歳,obesityのある女性で,呼吸苦,喘鳴等の症状が主訴である.経過が長く,気管支喘息としてfullに治療を受けていたが,コントロールできず,気管内挿管歴もあった.
答えはtracheomalasia.FV curveでは気流閉塞を疑う所見はあるが,典型的な胸郭内気道閉塞のパターンではない.気管支鏡検査にて診断がつき,シリコンステントその後気管形成術を施行し,症状軽快となった患者である.













N Engl J Med 2012; 366:1725-1730.より


肥満の女性で,喘息と誤診された症例・・・というと・・.

肥満の女性で咳嗽(多くは乾性)が主症状で,コントロール不良の気管支喘息として治療されてきた症例を3例経験しているが,いずれもβ2に対するreversibilityはなく,抗ぜんそく薬に対する反応も不良で,喘息は否定的と考えている.VCDやtracheomalasia(否定的であろうが)など他疾患の可能性や,上気道の過敏症などの可能性はないのか?耳鼻科領域とオーバーラップする点も多い.咳嗽と上気道ーこの領域に関心を持つ耳鼻咽喉科の先生いませんか?