11月22日(木)熊本大学にて
教育症例:武蔵丘病院
31歳 男性,左下葉気管支に接した腫瘤性陰影.境界明瞭,辺縁smooth.Aortaからのfeeding arteryあり?? bronchogenic cyst, sequestration,benign tumorなどが鑑別に挙がった.数年前の検診フィルムでも陰影を認めサイズに変化なし.組織診は未施行.
bronchogenic cystか?最終診断はついていない.陰影内部のCT値は?⇒dataなし.
症例1 熊本南病院
65歳男性.発熱,倦怠感,低酸素血症.
両側上葉優位の浸潤影(R>L).喫煙歴あり.気腫性病変著明である.右肺野は浸潤影と肺の破壊性病変著明でexpansiveな陰影.空洞内にniveau像あり.左下葉にはmass.
画像は抗酸菌症,真菌症に典型的と思われたが,抗菌薬,抗真菌剤無効.抗酸菌は認めず.呼吸状態はさらに悪化.BAL, TBLBは未施行.⇒ステロイド著効.
COPが疑われた症例.expansiveな陰影,niveauの存在がCOPとしては非典型的か.左下葉のmassは腺扁平上皮癌.
症例2 熊本医療センター
前立腺癌⇒胸椎転移に対しRT施行.radiation pneumonitisに対しステロイド投与中,胸部陰影増悪.空洞形成,内部にfungas ball様陰影有.前立腺がんに対しDEX 1mg/day長期投与中.radiation pneumonitisに対しさらにPSL 25mg/dayを追加.
Aspergillus症+Mucor症の症例.
症例3 済生会熊本病院 75歳女性
ドライアイアイ,下腿浮腫.呼吸困難出現.心機能異常なし.腎機能障害,尿たんぱく,白血球円柱を認めた.eGFR 38.2.胸部異常陰影有.
CTにて肺野に粒状影.perilympnantic distribution.sIL-2R 3000台に上昇.
画像からは,Sa症,Lymphoproliferative disorders,PLCなどが鑑別に挙がる.低酸素がありSa症の可能性は低いのではという意見もあったが⇒答えはSa症.TBLBにて診断.
眼は再検し,Sa症に典型的な所見を認めたとのこと.肺,眼,腎のSa症.
ごくごく「ありふれた」症例提示のココロは?⇒腎Sa症 0.7%-3.7%と比較的まれ.ステロイド有効.早期診断治療により改善.本症例もステロイド治療によりeGFR改善.