「ぎりぎりセーフ」の歌詞に
♪混み始めた竹下通りを 駆けて駆けて駆け抜けきって 更に信号渡った先 みんながいるから・・・♪ ってあるんですけど,そこはどこなのでしょうか.
で前回の続き
感染症に伴う器質化肺炎を調べていたら,NEJMのMGH CPCを見つけたのですが,この画像reversed halo sign (RHS)を示しています.と言ってもRHSはCOP/BOOPにspecificな画像ではないのはご存知の通りです.他に疾患があるかについては,79例と比較的多くのRHSを呈する症例を報告した論文があります.
Reversed halo sign: high-resolution CT
findings in 79 patients
Chest 2012; 141(5):1260–1266.Edson Marchioriらの報告
Abstruct
79例のreversed halo sign (RHS)を有する患者のHRCT所見を評価し,様々な病因による特徴の違いを検討した.形態学的特徴,病変の数,RHSに伴う特徴の存在を検討した. 40例は感染症(paracoccidioidomycosis, tuberculosis, zygomycosis, invasive pulmonary aspergillosis, Pneumocystis jiroveci pneumonia, histoplasmosis, cryptococcosis),39例は非感染症患者(cryptogenic organizing pneumonia, pulmonary embolism, sarcoidosis, edema, lepidic predominant adenocarcinoma (formerly bronchioloalveolar carcinoma), Wegener granulomatosis)であった. RHS の壁は58例(73.4%)でsmooth,21例(26.6%) で結節状であった. 44例(55.7%)の病変は多発性であり, 35例(44.3%)は単発性であった.結節状の壁の存在,またはRHSのhalo内の結節は肉芽種性疾患を強く疑う所見である.
この研究におけるRHSの定義は
最初にGGOがありその周囲にdenseなconsolidationが半月状(円周の3/4を形成),またはリング状(完全な円を形成)の形態を示し,少なくとも厚さが2mmある.
その後
中心にGGOを有し,その周囲は完全,またはほぼ完全なリング状のconsolidationを形成する
中心のGGO内にsmall noduleが認められた症例はTBの10/12,サ症の3/5,Paracoccidioidomycosisの1/14,そしてクリプトコッカス症であった.→肉芽種性疾患にのみ認められた.
病変の数:Paracoccidioidomycosisは全例多発性病変を示した.それに対して侵襲性肺アスペルギルス症, PE, lepidic predominant adenocarcinomaの全病変は単発性であった.
結論
RHSは様々な疾患に伴う画像所見であり,比較的特異的な所見と考えるべきである.RHSの壁内,GGO内の小結節影の存在は活動性肉芽腫性疾患(感染性肉芽種疾患またはサ症)を示している.原因疾患の鑑別に有用なそれ以外の形態的特徴はない.臨床所見と合わせてRHSの解釈を行うべきである.