Lancet 2012; 380: 651–59.
Dose Ranging Effi cacy And safety with Mepolizumab in severe asthma (DREAM) trial
Summary
背景
重症喘息患者には気管支喘息増悪を繰り返し,その増悪に好酸球性気道炎症を伴った患者がいる.初期の報告では,mepolizumab (a monoclonal antibody against interleukin 5)にて好酸球性気道炎症を抑制すること,喘息増悪のリスクの低下に関連があることが示唆された.われわれはmepolizumabに対する反応に関連した効果,安全性,患者背景を検討した.
方法
multicentre, double-blind, placebo-controlled trial
2009年10月9日から2011年12月5日まで
13カ国,81センター
登録患者:年齢12-74歳,繰り返す重症の気管支喘息増悪歴あり,好酸球性気道炎症の徴候を有する.
Mepolizumab静脈投与;75 mg, 250 mg, 750 mgの3つの投与量,1:1:1に無作為割り付を行った.
Placebo
無作為化の方法:経口コルチコステロイドが必要か否かによって層別化した置換ブロック法を用いた.
患者は4週間隔で13回の静脈投与を受けた.
Primary outcome:臨床的に有意(経口ステロイド治療が必要,入院治療が必要,または救急外来への受診)と考えられる気管支喘息増悪の割合. intention to treat解析を行った.
結果
621例が無作為化された:159例がplaceboに割付られた,154例が75 mg mepolizumab群,152例が250 mg,156例が750 mg群に割り付けられた.776回の増悪が臨床的に有意と考えられた.臨床的に有意な増悪率はplacebo群で2.40人年,75 mg mepolizumab群で1.24人年 (48% reduction, 95% CI 31–61%; p<0•0001), 250 mg群で1.46人年 (39% reduction, 19–54%; p=0•0005), 750 mg群で1.15人年 (52% reduction, 36–64%; p<0•0001)であった.
3例の患者が治療期間中に死亡したが,治療とは関連がないと考えられた.
結語
Mepolizumabは重症の好酸球性気管支喘息患者において気管支喘息増悪のリスクを減少させる効果的で認容性の高い治療薬である.
これまで2つの概念実証試験があり,Mepoが気管支喘息増悪のリスクを減らすことを示したが,いずれもサンプルサイズは小さかった.
好酸球性気道炎症があるとは・・・Entry時または過去1年間に,以下のいずれかを満たす.
①喀痰好酸球が3%以上,FENOが50 ppb以上,②喘息に関連した末梢血好酸球数が0.3x109/μL,③吸入または経口ステロイドの通常維持量を25%減量した時,喘息コントロールが明らかに悪化する.
患者はATSの難治性喘息のクライテリアを満たす(症状を安定させるために少なくともFP 換算で880μg/dayが必要,維持量としての経口ステロイドは使用してもしなくてもよい,さらに他のコントローラーが追加されている).
FEV1, acute bronchodilator responseはMepoの効果と関連なし.
BaselineのIgE濃度とatopic statusとMepoに対する反応とに関連なし.
BaselineのFENOは血中好酸球よりもMepoに対する反応との関連は弱い.
多変量解析にてMepoの効果に寄与する因子は①baselineの末梢血Eos数,②過去1年間の増悪数.
AQLQ,ACQ scoresに対するMepoの効果なし.