7月24日熊本大学附属病院にて
①教育症例
90歳,女性
在宅介護.倦怠感出現⇒意識障害,尿失禁認め近医搬送.呼吸器感染症の診断にてCTRX, CLDM等の投与で全身状態は改善.リハ目的にて転院.咳嗽,喀痰なし.WBC 6400(Neu 73.8%,Lym 15%),CRP 0.33,BUN 37.2, Cr 1.55,CEA 9.7,sIL-2R 1450 U/ml,
胸部単純X線:右下肺野,左上肺野に浸潤影(airbronchogramあり),centrilobular nodule,
L>Rの胸水貯留.
抗菌薬投与にて炎症反応は著明改善.しかし胸部陰影は残存.
鑑別診断:細菌性肺炎,抗酸菌感染,肺動脈血栓塞栓症,器質化肺炎などを鑑別に.
T-spot TB:ESAT6 パネル188スポット,CFP10 パネル272スポット
誘発喀痰:2回目の誘発喀痰にてGaffky 1号.
基礎疾患は? 末梢血にATL細胞を認め.ATLの診断となる.
T-spot TB
スポット数とTB発症との関連は?
②80歳,男性
8か月前より慢性咳嗽.胸部異常陰影を指摘.past smoker 20本x40年
画像:前縦隔のtumor,42x35mm大,azygos veinの見える高さ.MRIにてT1不均一な低信号,T2不均一な高信号.PETでは#7にも異常集積あり.
胸腺腫,germ cell tumor,神経源性腫瘍,MLが鑑別に.
CTガイド下生検にてsmall cell carcinomaの診断.pro-GRP 454.3 pg/ml.
胸腺上皮腫瘍(thymic epithelial tumor)の分類の中に胸腺小細胞癌がある.
③60歳,男性
主訴は呼吸困難.半年前より呼吸苦の自覚あり,吸気時にヒューという.
声が小さい.嗄声あり?聴診では呼吸音減弱,吸気時にwheeze.両背側にfine crackles.
胸部CT:上肺野優位の気腫性変化と下肺野の線維化あり.
FVC 0.8L,FEV1 0.75L
FV curveでは呼気に鋸歯状の曲線がみられる.吸気時も.
診断は特発性反回神経麻痺.声帯は正中位で固定.突然死の可能性もある.ope施行.
睡眠時無呼吸症候群で返答肥大のある時もこのような鋸歯状波形を認めることありとのコメント.