2014年11月28日金曜日

第390回チェストカンファレンス

20141127日
 
教育症例
70歳代の男性.ペースメーカー装着.
X11月咳嗽にて他院受診.肺機能上軽度の閉塞性障害.LVFX処方にて軽快.
X+11月咳嗽にて再度他院受診.LABA開始.時々咳嗽の増悪があり抗菌薬処方にて軽快していた.
X+1年4月湿性咳嗽にて受診.LVFX+EM処方.
4月の胸部CT:両側肺尖部胸膜直下に多発結節影,左主気管支より末梢にかけて気管支の壁不整と狭小化.Lt B6気管支が見えない.リンパ節腫大なし.
WBC 6090, CRP 3.75
→その5か月前,11月の胸部CT 主気管支の所見はない.Lt B6狭小化,Lt S6に小葉中心性粒状影.
診断は気管支結核.

 症例2
70歳,女性
胸部異常陰影精査.
右上葉にmixed GGO (part-solid nodule)SUV max 1.8
右甲状腺は多房性のcyst,一部石灰化あり
単純CT縦隔条件にて左房内にmass
右上葉の陰影はCTガイド下生検にてadenocarcinoma疑い.
左房の病変は粘液腫.
甲状腺は右が濾胞腺腫,左は腺腫様甲状腺腫
Myxomaの診断が遅れたー造影CTにて診断に至ったとのこと.画像をよく読もう!

 症例3
61歳,女性
検診チェック.
既往歴:1歳 眼結核?
胸部単純X線では,左下肺野にmass様陰影.側面では背側か?胸部CTにて胸膜に連続する陰影.造影CTにて線上の血管陰影が見える.骨融解像など周囲臓器への浸潤はなさそう.
鑑別診断
MPM, SFT, MFH, Lymphoma, 神経原性腫瘍,肺がん,IgG4関連疾患など
→診断はLymphoma
胸腔鏡にて診断.第9肋骨部の表面に血管豊富な腫瘍性病変.
CD20 (+), Bcl-2 (+)DLBCLの診断であったが,久留米大病理へ提出したところMALT lymphomaの診断.ちなみに本症例のsIL-2R210U/mlと低い.MALTだから?
胸壁原発のMALT lymphomaは稀.
治療はMALT lymphomaとして,まずradiationを施行.効果を見てR-CHOPを行うか検討.

臨床血液2013より
胸壁悪性リンパ腫の分類
PAL
PEL(原発性体腔液性リンパ腫)
③慢性膿胸のない胸壁発生悪性リンパ腫

③について・・・13例中10例がDLBCL, EB (-).