2015年9月29日火曜日

第399回熊本チェストカンファレンス

2015年9月24日 熊本大学にて

症例  
82歳,男性
右季肋部から心窩部の疼痛.38℃の発熱,WBC 10500CRP 11.7
S10に直径約6cm大の腫瘤影,辺縁は壁側胸膜側が比較的smooth,周囲に浸潤影.
造影CTでは周囲がenhance,内部は不均一?
肺内か,肺外か
肺外ならSFTや炎症性偽腫瘍など
その他
腫瘍(肺がん),sequestrationなど

診断は肺多形癌
cT2bN0M0 stage IIA
肺多形癌は,全肺腫瘍の0.1-0.3%を占める稀な腫瘍.
1999WHO分類第3版,2003年肺がん取扱い規約に新たに表記されるようになった.
化学療法,放射線治療に抵抗性.

症例2
47歳,男性
CT健診で胸部異常陰影を指摘.自覚症状なし.
既往歴:25歳時交通事故で脾臓摘出.
採血検査:腫瘍マーカー,真菌抗原も含め異常なし.
胸部CT上左S10に雪ダルマ上の辺縁smooth,境界明瞭な腫瘤影.縦隔条件では横隔膜に底辺を有する腫瘤.
診断は既往歴がヒント.
Thoracic splenosis
外傷や外科的手術による脾損傷が異所性自家移植をおこしたもの.
左胸腔に限局し,胸膜に底辺を持つ円形の腫瘤.
自覚症状はほとんどの症例で認めない.
診断にはほとんどが侵襲的検査不要.99mTc-スズコロイドシンチが有用.