2018年7月3日火曜日

2018 Asthma Seminar Salford Lung Study


2018627
Asthma Seminar
熊本大学山崎記念会館
Salford lung study

有効性 efficacy            理想的環境下
有用性 effectiveness   通常の環境下 usual circumstance

RCT                     real worldの差
Double blined              Open label
Double dummy     

Adherence
患者群の少数しか治験に入らない
Persistence
Cost effectiveness

FF/VI Ellipta
作用時間が長い、拡張作用、抗炎症作用
使用法のエラーが少ない
ドロップアウトが少ない  7%
例えばFLAME試験でのドロップアウト率は 16.619%

GPBAと診断
18歳>の患者
FF/VI vs 通常の治療
Primary outcome24WACT 電話でnurseが聞く
ACT20(コントロールされている)またはACTの改善が≧3

患者の特徴
Current smoker 20%
70%がコントロール不良

        Usual群     FF/VI
効果あり    50% responder        71%
               Odds 2
即ちレルベアを投与すると2倍の確率で改善またはコントロールされる。
1年間有用性が維持される
サブセット解析 ICS/LABA使用の患者   FF/VIが良い。
増悪率は両群で差がなかった

Prevenar 13 Seminar 2018 in Kyusyu


2018527
Prevenar 13 Seminar 2018 in Kyusyu
福岡市 ホテルオークラ

高齢者肺炎の診断・治療。予防
琉球大学 藤田教授

成仁肺炎球菌ワクチン接種の意義を考える
福岡大学 藤田教授


誤嚥性肺炎を疑うグラム染色のキーワード
polymicrobial pattern
②白血球と口腔内扁平上皮が混在

スライド
喀痰の中に菌の塊=プラーク

気道抵抗は気道径の4乗に反比例


COPDと気道感染
インフルエンザ菌 22%、緑膿菌15%、肺炎球菌10%、モラクセラ9%

NEJM 2002;347:465-471.
モラクセラやインフルエンザ菌の定着→別のモラクセラやインフルエンザ菌が感染すると増悪する。


1918スペイン風邪

1957アジア風邪
米国 肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブ菌(若い人)
オランダも

肺炎球菌の産生する毒素 ニューモシリンなど。ニューモシリンは細胞に穴をあける。肺胞腔→間質→血管内皮 (菌の移行。血管内に入れば侵襲性感染)

NEJM 1995;332:1280-1284.

血流にのって感染=侵襲性肺炎球菌感染症。

1998 NEJM
ナーシングホームにおける肺炎球菌の集団発生
St pneumoniae 飛沫感染


小児に肺炎球菌ワクチンを接種すると高齢者の感染も低下

Capita試験


肺炎入院日は1日5万円。14日入院で70万円。

65歳以上の主な死因別死亡率 2014年厚労省
肺炎の死亡率は下がっていない。脳血管障害のみ死亡率が低下している。老衰が増えている。

肺炎球菌は鼻咽頭に常在。保菌


PCV 13
多糖体抗原とキャリアタンパクを結合させる

多糖体抗原 莢膜から

B cellplasma cell IgG抗体の産生
そのほかにdendritic cellT cellの経路がある

PPSV23は多糖体抗原のみ
B cellにのみ作用する。6Aをカバーしている。

Lancet Infec Dis 2017 長崎大学熱研内科
ニューモバックスがカバーされている血清型に対して防御効果あり

PPSV 23は接種2回目までのevidenceがある。3回を超えるevidenceとして抗体価の上昇あり=だから予防効果ありとの論文。したがって4回までは接種できる?

咳嗽 2017アレルギー学会より

2017

アレルギー学会

教育講演13
CVA

喘息反応
咳感受性亢進
2010年仮説

疾患特異的病態:CVAを中心に

CVA
Eos, Neu上昇群はICSが減らせない。IL-8上昇、neutrophilic elastase上昇。

鼻腔内にカプサイシンやヒスタミンを投与すると咳増加
神経経路がある?

CVA
ICSで治療するとPC20は改善。C5は動かない。
C5ICSで改善しないが、モンテルカストで改善する。

Respiration
CVA患者を対象とした LTRAの前向き試験。
Mchの改善なし。
LTRAは何故効くのか?→咳感受性を低下させる。
感染後の咳にはLTRAは効かない。

 ベガ(オザグレル)の効果について
ICS+LABA+LTRAで咳が毎日ある患者。RetrostudyN=28で完全奏功が10例、部分走行ば8例。無効例はもともと症状が軽い。

GERD
ガナトン、ネキシウム
チオトロピウムにも鎮咳効果あり。

その機序:
カプサイシン受容体TRPV1
(原因が様々)

 TRPV1拮抗薬 CV112220
クエン酸咳誘発モルモットにおいて咳を抑える。
 チオトロピウムの鎮咳作用は、抗コリン薬としての作用ではない。
TRPV1を介しての鎮咳作用(気管支拡張作用ではない)。

GERDについて
京都大学での検討
慢性咳嗽患者の11%GERD単独例。合併例では50%
PPIのみで改善したのは21.9%PPI+消化管運動機能改善薬で改善したのは76.2%

レスターの咳質問表
消化管運動機能不全がQOL低下をもたらす。

CHSについて
診断名+αの咳
さらにはunexplained cough
咳喘息、上気道疾患による咳  =CHSのフェノタイプ

CHSの基本病理
Functional MRIによる検討
アミトリプチン、ガバペン、リリカ

GERD特に消化管運動不全
Hull Airway Reflux質問票
PPIは無効、メトクロプラミド、ドンペリドンなどが効く

気道リモデリングと咳
コントロール不良のCVAではFEV1の経年的低下が増大する(但しnは少ない)。


慢性咳嗽→気道リモデリング→咳感受性亢進→慢性咳嗽 のloop

Morice
気道平滑筋(ASM)
ASM量が増加→ASM増加TRV1増加、ASM増加TGF―β1増加

Anatomic diagnostic protocol

まとめ

CVA
ICSICS/LABA
LTRA、抗TX薬、H1RA
LAMAなど
GERD
・ガナトン、六君子湯
SBS
EM
・去痰薬
・小青竜湯
・好酸球性副鼻腔炎の可能性

感染後咳嗽
中枢性鎮咳薬のほかに麦門冬湯など

CHS
どこまで浸透させるか?
実地医家→かえって混乱を招くのでは?

2018/03/02 COPD Net講演会

 COPD Net講演会
 2018/03/02

難治性BA
SARP study
AJRCCM 195;302,2017
末梢血Eos↑ 増悪↑ (成人の場合)
喀痰Eos↑ 増悪↑
        Asthma
                Syndrome
     Phenotype           Phenotype           特徴分け

Endotype  Endotype   Endotype  Endotype  フェノタイプ分類に変えて治療反応性に

オマリズマブ
FeNO、好酸球、ペリオスチン高値がオマリズマブの効果予測因子になりうる

メポリズマブ
好酸球増多のあるコントロール不良の重症喘息に効果がある     
NEJM 371;1198:2014

ベンラリズマブ
好酸球>300ではBA増悪、呼吸機能とも改善効果あり
CALIMA study   Lancet 2016;388:2138

TSLP抗体
Eosが多くても、FeNOが高くてもどちらでも効く   NEJM 2017;373:936-46

COPDの肺の写真 NEJM 2009;360:2445

FeNOを指標とした治療による効果
Lancet 2011  Powell H

佐賀大学
末梢のEos↑、呼気NO↑ 悪化しやすい

京都大学
ペリオスチン↑ FeNO↑  増悪の頻度が高い (成人)
ERJ 2016;47:306

COPD増悪のフェノタイプ
時間経過で2つのパターン
Sudden onset(細菌感染と関連)       Gradual onset       AJRCCM 2015;192:943

増悪を起こしやすいフェノタイプ   Chest 2017;152:494
増悪のリスクは気道の閉塞と関連

ACO
NEJM 2015 Postma

ACOCOPDよりも症状が強くQOLが低下   Int J COPD 2016
ACOCOPDよりも増悪頻度が高い   などの報告があり

反対の報告
北大コホート研究
268名のCOPDBAは除く)をリクルート
AJRCCM    2016:194:1358
経年的なFEV1の低下はasthma like featureが多い症例ほど少ない
(これまでと反対の結果)

末梢血Eosが高いCOPDにおいてICSAex低下効果あり

COPDICS 肺炎のリスクあり
Lancet Respir Med 2016;4:73
どんな人に肺炎のリスクが多い?
Eos <2%COPDで肺炎が増加

FLAME study
WISDOM study 
triple therapy 1年の増悪の頻度にかかわらず呼吸機能はtrippleのほうが良い。

Treatable traits
Austin A  Thorax 2014;69;857.

COPD20%BA合併。

Two step アルゴリズム
実践的な薬剤治療の方針。   EJM 2017;49

Reversibilityのある群は予後が良い(熊大のdata

 フロアより
BA患者に対するβ blockerの使用についての質問
β1 selectiveな薬剤は慎重投与(メインテート)。あまり悪くならない。