2018年10月18日木曜日

重症喘息のフェノタイプ 2017アレルギー学会より

2017アレルギー学会   古い報告だが
重症喘息


分類


フェノタイプ
どのクラスター解析でも共通なものは3
・若年発症のアトピー型
・成人発症の肥満型(BMI5
・成人発症の好酸球性


エンドタイプ
獲得型アレルギー
自然型アレルギー(ILC2型)
その他Th17


Mepolizumab
MENSA試験 2014;371:1198-1207
相良先生のデータでは肺機能1.4L程度、平均で改善。改善が乏しい症例は、感染性副鼻腔炎がある症例。


SIRIUS試験
Phase III ステロイドが減量できた。
DREAM試験
MENSA試験
SIRIUS試験

IL-5レセプター抗体

IL-4, IL-13も抑えるのでは?NEJM 2013; 368: 2455-2466.

CRTH2 antagonist

PGD2阻害剤 late phaseを抑える
重症BAではPGD2が増加する。


TSLP抗体
earlylate phaseも抑える


IL-5抗体
FeNOを抑制しない


北大
喫煙と肥満
・喘息を増悪、鼻炎のみ抑制
・好酸球性炎症と関連、IgEを増加
・非好酸球性炎症と関連、IgEを低下


報告は様々
喫煙、肥満が気道炎症に与える影響は均一化すべきではない

古い報告だが


20141123
東海大学 浅野教授
講演1 
肺内送達
吸入粒子径よりも5μm以下の粒子がどれだけ多いかにより規定される.
エアロゾル製剤
吸入時間が重要(1秒で吸入<5秒で吸入)⇒吸気と同調よりも,「ゆっくり深く吸入」が重要.

重症喘息の新しい定義
Thorax 66: 910, 2011
U-BIOPRED (2010)
1.コントロール不良,あるいは2/年以上の増悪.
2.高用量ステロイドによる治療
3.喘息診断の妥当性
4.喘息以外の疾患ではない
5.吸入デバイスを正確に使用できる
6.アドヒアランスが良い
・・・・・・

少なくとも6ヶ月の治療で改善が見られない.
ERJ 2014;43:343-373.
大きく変わったのが,
Step1.喘息専門医による診断と3か月以上の治療
Step 1.本当に喘息か
Step 2.増悪の同定
Step 3.表現型の特定
コントロール不良の定義:ACQ>1.5Act<20
⇒これに対して反論もある AIRCCM 2014;189(6):619-627.

気管支喘息の表現型
Cluster解析による最初の論文はAJRCCM 2008;178:218-224.
※この論文では4つのクラスターに分類.喀痰好酸球数をカウントしている.
①早期発症アトピー型
②非好酸球性肥満型
③早期発症症状優位型
④成人発症炎症優位型
それ以降多くの論文がpublishされている.

2014ATS/ERS重症喘息国際ガイドライン.
ERJ 2014;43:343-373.
確かにあるだろうとされているのは
①早期発症アトピー型
③成人発症肥満型
④成人発症好酸球優位型

JACI 2014
米国SARPでの検討
健常人を含めた解析.好酸球気道炎症のBALFeNOで解析.
このクラスター解析において,喘息は5つに分類される.
早期発症アトピー型(①軽症,②中等症,③重症)
④より重症の成人発症肥満型(比較的年齢の高い女性に多い)
⑤成人発症の重症非アトピー型
⑤の成人発症非アトピー型:鼻ポリープope歴あり.これが上記④に相当.

JACI 2014;133:1474.
Cluster 3 → 血清ぺリオスチンが高い.肺機能低下速度が速い.

GINA step4, step 5
ぺリオスチン high vs low asthma
Late-onset eosinophilic asthma
非アトピー型
肺機能低下速度が速い
NSAIDS過敏症が多い
血清ぺリオスチン濃度上昇
好酸球性副鼻腔炎(篩骨洞にポリープができることが多いのが特徴.匂いがわからなくなる) 
※好酸球性副鼻腔炎では局所でIgE産生.高原特異的IgEも産生される.
JACI 2013;31:110.
Ann Allergy Asthma Immunol 2013;368:
グループ自然リンパ球ILC2の増加.
AJRCCM 188;432:2013.
ICL2TSLP存在下でステロイド抵抗性になる.(浅野先生らのデータ)

講演2
David Price教授
これまでのGINAの喘息コントロールの戦略は間違っている.
Respir Med 2009;102:1081-93.
治療を増やす前にすることがある.もっとよく患者を診よう.アドヒアランスの問題に目を向けよう.
2014版のGINA 変更点
戦略を変えた.ASESSAjust treatmentreview respons

エビデンスは
Lancet Respir Med;1(10):e29-30.
Thorax 2007;62(3):219-223.
治験に組み入れられない症例が多い.→なのに治験のデータをもとにガイドラインを作成してよいのか?実臨床のエビデンスが必要.
Ann Am Thoracic Soc 2014;11, suppl2 s83-s84.

Respir Med 2011;105(10):1457.
セレタイド pMDIDPIどちらが効果的か?実臨床の検討.結果はpMDI

実臨床NEJM 2011;364
ICS vs. LTRA
ELEVATE study

REALISE STUDY
Pri Care Resp Med
患者にコントロールされているかと聞くと,コントロールされていると答える.

Flutiform change study
FP/SALFP/FORswitch
増悪の頻度は低下(年2回の増悪のある場合,増悪頻度は半分になる)