2020年2月13日
一般演題1
当科におけるEGPA症例の臨床的検討
2004年1月から2019年12月まで。厚労省の診断基準でdefiniteの症例。
19例、42歳から76歳。女性が多い。ANCA 5例陽性(すべてMPO-ANCA)。3例で脳梗塞。心病変足。神経障害は軸索障害、ほとんどが多発単神経炎。
16例ステロイドパルス療法。IVIG 3例、IVCY 2例、MEPO 0例など。
何を指標に治療するか→?
神経症状の経過は?長くfollow upしているわけではないので、不明。6例は症状が改善していることを確認。
一般演題2
心病変のコントロールが困難であったEGPAの一例
気管支喘息、多発胃潰瘍、紫斑、脳梗塞
左室心尖部に壁肥厚、EFは50%代
MRIにて心筋にびまん性炎症、IgE 1368、MPO-ANCA 84.9、FFS (five factor score) 2点
治療
MPSL 1gx3→PSL 40mg/day、MEPO→IVIG→MEPO→MEPO
MPO-ANCA ↓、IgE ↓
しかしBNPは徐々に増加。退院6か月後心不全増悪で入院。心echoにてMR中等度→重症化、壁肥厚は変わりなし。僧帽弁置換+
三尖弁輪形成(MVR+TAP)施行。術後経過不良で死亡。
まとめ
EGPAの心病変は予後不良因子。EGPA死亡の約半数は心疾患(筆者補足、UpToDateより)
免疫抑制剤を使用しなかっったことや、IVIGを継続使用しなかったことが予後に関連?
質疑
EGPAとMRの関係
心筋生検は繊維化、関連は不明。
特別講演
平塚市民病院
EGPAの病態と治療
MPO-ANCA陽性は3割。
EGPAの3つのphase
1.provasculitis phase
2.vasculitis
3.postvasculitis
症例 67y.o. male
末梢血Eos 10%、両下肢のしびれ→心停止→虚血性腸炎→小腸部分切除
EGPA BA期の特徴
24例 初診時から重症が多い。
末梢血Eos 20%以上→risk factor
EPがあると血管炎を起こしやすい。
神経症状の問診票 ANCA関連.comからダウンロード可能
腹痛、下痢、嘔吐などの症状
疑ったらbiopsy
内視鏡所見:びらん、潰瘍、暗赤色の小発赤
EGPAと好酸球性胃腸炎の違い。Eosの数は変わらない。EGPAは腺窩と腺窩の間の距離が長い=浮腫が強い。
心病変:胸痛、背部痛(見落としやすいので注意)、動悸、脈不整、息切れ、疲労感
Int L Crdiol 2015;199:170-9. ECGで異常なくても63%に心病変あり。
日本ではBAがあると造影MRIが撮れないので、心筋MIBGシンチがお勧め。Eur J Nucl Med Mol Imaging 2011;38:221-9.
再燃時にEosが上昇しないことが多い。
2009年FFS≧2が予後不良の基準である。Cuillevin Medicine 90;19,2011.
MPA、GPA、EGPAどれもFFS≧2は予後不良。
Plasma exchangeはあまり効果がない。
2017年 NEJM Mepo Phase III
MEPO再燃を抑制、寛解導入を維持する。 続けること、1年ではダメ、すぐに再発する。
平塚市民病院 通常の治療でよくならないEGPA 25例
MEPOは多彩な症状を改善。IVIGとの併用効果、早い。心病変はIVIGと併用すると効果が早い。
MEPOで寛解導入できないcaseもある。
IVIGはいつ始める?
EGPA 5生率 97%、20年生存率 72%、心病変あると予後不良。5年たつと予後不良になる。
相模原病院 心病変あり、なしで予後は変わらない(IVIGを使用している症例が多い)。
治療開始後長期寛解が得られていても、新たな(重症の)血管炎症状が出現することあり。
質問
消化管:生検で所見が得られやすい臓器
小腸→大腸→十二指腸の順、食道は所見なし。
Rituximab投与でPTEが改善した症例について。もともとB cellの機能が悪い人なのでなぜ効いたかわからない。