2020年9月28日月曜日

市中肺炎の治療期間 Shorter is better?

 第94回日本感染症学会より

市中肺炎の治療期間は5(~7)日間に短縮可能かもしれない。

軽症から中等症が対象になるだろう。臨床研究でキノロンが使われているものが多い。結果を単純に外挿化できないだろう。

臨床的安定性(Clinical stability)を指標に用いることは有用。

①BT ≦37.8℃

②収縮期血圧≧90mmHg

③脈拍数≦100/min

④呼吸数≦24/min

⑤SpO2≧90%(or PaO2≧60mmHg)

⑥意識レベルがベースラインの状態           

Mandell Clin Infect Dis 2007;44:S27

(これらをすべて満たす)

*例外となる疾患

  1. 黄色ブ菌肺炎(菌血症合併時は4W以上)
  2. 緑膿菌肺炎
  3. グラム陰性菌による肺炎
  4. 非定型肺炎(7-14日間)
  5. 壊死性肺炎(空洞性病変)3W以上
  6. 肺化膿症(3W以上)
  7. 膿胸(4W以上)
  8. 肺嚢胞内感染
  9. 敗血症性肺塞栓症
  10. 肺外合併症(髄膜炎、感染性心内膜炎など)
  11. まれな病原性微生物(endemic fungiやBurkholderia pseudomalleri)