2013年1月21日月曜日

1月18日 第27回気管支鏡研修会

法事のため,遅れて出席.半分以上の演題は聞くことができず残念.

演題8:縦隔リンパ節転移で再発した胆嚢癌の一例 熊本再春荘病院
H&E染色では原発巣と転移巣の分化度に違いがある.臨床的にではなく,免疫染色等で同一のものであることを支持する所見があるかないかーここがポイント.
・演題9:EBUS-GSにて診断したウエステルマン肺吸虫症の一例 熊大呼吸器内科 
肺内孤立性結節影~浸潤影,waxing and waining.2年前より経過followとなっていた.胸水貯留なし,気胸なし.好酸球増多なし.IgE上昇なし.
ウエステルマン肺吸虫症の13%程度はEosとIgEが正常範囲内と報告されている.
<消退を繰り返す肺の孤立結節~浸潤影の鑑別診断>
①感染症(真菌,抗酸菌,細菌感染,寄生虫),②肺塞栓症,③IgG4関連疾患,④サ症,⑤悪性腫瘍,COP/EP
本症例のTBLB組織:Eosは散在,免疫染色にてIgG4陽性細胞の増加あり.さらに血清IgG4も増加(IgG4 201mg/dl).→IgG4関連疾患との鑑別が難しい.
詳細な問診にて食歴から疑い,組織診断にて虫卵を証明.
*一時陰影が消失し経過観察となった点,末梢血好酸球の上昇がない点,IgG4の増加など興味深い.ついでにEBUS-GSが普及し,多少なりとも呼吸器内科における診断技術のレベルが向上している点は喜ばしい.若い人たちよ「プローブは誰が購入するか」などつまらん「入り口論」はぶっ飛ばして患者さんに還元できる技術はどんどん取り入れて活躍してほしい.
演題10:Cisplatinによる薬剤性急性好酸球性肺炎の一例 熊大呼吸器内科
食道がん,chemoはCDDP,DOC, Fluorouracil,radiation併用.DLSTにてCDDP陽性.
すりガラス影,BALにてEos上昇.抗がん剤投与後一過性の末梢血好酸球増多(スライドでは比率を示していたようだが・・).DLSTにてCDDP陽性.
フロアからの意見①DOC等他の抗がん剤の可能性は否定できないのでは?②画像上「急性好酸球性肺炎」は合わないのでは?③radiation照射との関連は?→radiation終了後2週間で出現(radiation lung injuryとしては発症が早すぎる),radiation照射前に一過性の好酸球上昇.
演題11:シリコーン印象材による気管支充填術が有効であった難治性気胸の一例 熊本市民病院
気胸に対する気管支充填術.完全に閉塞できない.43%という報告あり.リークの軽減を含めると70%程度.
演題12:MFHの一手術例 熊本地域医療センター呼吸器科
右下肺野にmass,内部には石灰化,肺原発の頻度は<0.2%とまれ.治療はope(絶対治癒切除)が第一選択.切除例 5生率43%,化学療法や放射線療法に関する確立した見解はない.
演題13:開窓術後,胸壁出血を気管支瘻部より吸引し,喀血を繰り返した症例に対する手術療法
 熊大呼吸器外科