2014年10月30日木曜日

第389回チェストカンファレンス

2014年9月25日 熊本大学医学部にて
症例 74歳,男性
労作時呼吸困難,夜間の乾性咳嗽.
元理容師,鶏糞肥料使用歴あり.喫煙:current smoker, 15本x44年.SpO2 90% (RA),両側下肺野(R<L)でfine crackles聴取.
LDH 256 IU/l,KL-6 4844 U/ml,SP-D 558 ng/ml,CRP 2.6 mg/dl,VC 1.67L, %VC 60%, FEV1 1.28⇒%FEV1のデータがない.おそらく閉塞性障害も加わっているのだろう.%DLco 39.6%.
CT画像は,両側上から下肺野にすりガラス影.肺内に気腫性または嚢胞性変化著明.右横隔膜c直上はspareされる.
鑑別疾患はHP, EP,TB, LCH, IIPsではDIP, RB-ILD, LIP etc
結局気腫か?嚢胞か?が問題.
演者のスライドに示された画像からは明らかに嚢胞.⇒とすればLCHが疑わしい.

BAL:総細胞数の増加,マクロファージ57%,Ly 10.8%,Neu 21%,Eos 6%, CD4/8 0.83,ヘモジデリン貪食マクロファージ(+)

VATS肺生検:CD1a (+), Langerin (+), S-100 (+)
Skull, 頸椎Xp:溶骨性変化あり.

診断はLCH

多臓器型LCHと単一臓器型LCHがある.
高齢者は珍しいが,時に認められることもある.


pLCHに関する当ブログの記録
http://edukobiyori.blogspot.jp/2013/03/3210.html

武村先生の病理のレビュー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsogd/29/1/29_88/_pdf

LCHの画像診断
肺ランゲルハンス組織球症の画像診断

症例65歳,女性
検診にて胸部異常陰影を指摘,自覚症状なし.喫煙歴なし.
画像:左肺門bronchovascular bundleに添った浸潤影.左majour fissureの肥厚.左B3の内腔は狭小化.閉塞はしていない.右肺門は??縦隔リンパ節の腫脹なし.
気管支鏡検査:血管怒張 左上幹,右気管支もあり.
PET 左肺に取り込み.R<L.

診断は肺MALTリンパ腫.
BFにてbiopsy施行.CD20陽性,CD5陽性,MIB-1 index 10%以下.
画像を読めば,リンパ路との関連が強いことがわかるのだが・・.画像の分布を正確に読むことが重要とあらためて考えさせられた.
肺MALTリンパ腫⇒既存の肺構造を保ちながら陰影拡大.
R-CHOP6コースで陰影改善.