2016年11月25日金曜日

第315回日本内科学会九州地方会

11月20日(日)
ホテル日航熊本・熊日生涯学習プラザ
早朝より病院から呼び出し。少し遅れて出席。


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十二指腸神経内分泌腫瘍 NET G1と診断
NETG1とNETG2について

表 NETの2010年WHO分類
2010年 WHO分類核分裂像数Ki-67指数特徴
神経内分泌腫瘍(NET)NET G1<2≦2%
  • 高分化型
  • 腫瘍細胞は、腫瘍細胞は正常の細胞に似ている
  • 増殖能は低く、低~中悪性度
  • カルチノイド腫瘍と呼ばれる場合もある
NET G22~203~20%
神経内分泌癌(NEC)
(大細胞癌あるいは小細胞癌)
>20>20%
  • 低分化型
  • 腫瘍細胞は正常細胞の機能をほとんど持たず、未熟で、増殖能が高い
  • 増殖能は高く、高悪性度
  • 小細胞癌、大細胞癌に分けられる
WHO Classification of Tumours of the Digestive System Eds: Bosman FT, et al. 4th Edition, 2010
IARC Press, Lyons France

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肺胞出血をきたしたMPA
CPA+MPSLにて治療。効果乏しくRituximab投与し救命。
フロアよりCPA+MPSL治療が効果ないと判断する根拠は乏しく、Rituximab投与は時期尚早ではないか(CPA+MPSLが効いた)との意見。
MPAno25-55%にびまん性肺胞出血あり。
2013年Rituximab保険適応。NEJM 2010;363:221-32.
RituximabのMPAに対する効果はまだ確立していない。症例の蓄積が必要。

18
ウエステルマン肺吸虫
末梢血Eos上昇を認めない症例が、全体の43.5%程度ある。IgEが上昇しない33%程度。
2001年日本呼吸器病学会雑誌

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初回MRIが陰性であった化膿性脊椎炎
血培よりMSSA
MRI: 第2病日では陰性、第31病日では陽性。
発症2週間程度では偽陰性が10%程度ある。
2010年NEJM reviewあり

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破傷風
確定診断は主に臨床診断。外傷歴があって、亜急性に開口障害。
敗血症と区別できないかという質問。

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感染性大動脈瘤
総胆管結石、胆嚢結石→急性胆管炎+胆のう炎。血培からE. coli分離。
手術が第35病日。その後も発熱。第86病日腹部CT再検にて胸腹部大動脈周囲に軟部陰影。

腹部MRI:拡散強調画像にて大動脈壁が高信号。