2012年6月2日土曜日

慢性気管支炎の急性増悪と喀痰の色

Sputum colour and bacteria in chronic bronchitis exacerbations: a pooled analysis
ERJ 2012; 39: 1354-1360.

 Abstract
我々は、慢性気管支炎の急性増悪(AECBs)における、痰の色と病原性細菌の存在との相関を調べた。

AECBを有する患者においてモキシフロキサシンと他の抗菌薬の効果を比較した6つの多施設治験からデータをプールした。
抗菌療法の前に痰を採取し、そして、細菌は培養とグラム染色によって同定された。
痰の色と細菌との関係は、ロジスティック回帰にて決定した。

4,089の痰サンプルのうち、色は4,003検体で報告された;
1,89846.4%)検体は、培養陽性だった。

病原性の可能性の高い微生物に関して,緑または黄色の痰サンプルは、最も細菌が認められる可能性を有した(それぞれ、検体の58.9%45.5%)。一方clearな痰は18%,錆色の痰は39%であった.

陽性培養を予測している因子は、痰の色(最も強い予測因子)、膿性痰、増加した呼吸困難、男性,熱の欠如であった。

白色痰と比較して緑色または黄色痰は、細菌の存在に関して94.7%の感度と15%の特異度を有していた。

痰の色(特に緑色と黄色)は、AECB患者における膿性痰と増加した呼吸困難より,強い潜在的病原性を有する細菌の強い予測因子であった。

しかしながら、痰の色はAECBを有するすべての患者で、抗生物質治療の必要性を必ずしも予測しているわけではない.