2012年6月28日木曜日

重症敗血症患者に対するHES vs. 酢酸リンゲル液

Hydroxyethyl Starch 130/0.4 versus Ringer's Acetate in Severe Sepsis

 背景
HESは集中治療室(ICU)にてfluid resuscitationのために広く使われている、しかし、重篤な敗血症患者においてその安全性および有効性は確立されていない。

 方法
multicenter, parallel-group, blinded trial
fluid resuscitaitonに関して
6%HES130/0.4 vs. Ringer's acetate
投与量はそれぞれ133ml/kg of ideal body weight
主要評価項目は 無作為割り付け後90日目の,死亡または末期の腎不全(透析が必要).

 結果
ランダム化を受けた804例の患者のうち、798例はmodified intention-to-treat集団に含まれた。 2群間のbaseline characteristicsは同じ.

無作為割り付け後90日目の評価
死亡:HES 群 201/398 (51%),酢酸リンゲル液群 172/400 (43%)の死亡.(relative risk, 1.17; 95% confidence interval [CI], 1.01 to 1.36; P=0.03)

末期の腎不全:両群とも1例ずつ.

HES87(22%),酢酸リンゲル液群65(16%)renal-replacement therapyを受けた.(relative risk, 1.35; 95% CI, 1.01 to 1.80; P=0.04)

HES38 (10%) ,酢酸リンゲル液 25例(6%)がsevere bleeding あり(relative risk, 1.52; 95% CI, 0.94 to 2.48; P=0.09).

 結果
重篤な敗血症患者において, HES 130/0.4にてfluid resuscitationを行った患者は,酢酸リンゲル液を投与した患者と比較して、、90日目の死亡のリスク増加があり、よりrenal-replacement therapyが必要であった。