2013年4月1日月曜日

3月28日第374回熊本チェストカンファレンス


教育症例 表参道吉田病院

80歳,女性.ex-smoker
右上葉に連なる2つの陰影が.一つは楔状浸潤影,一つは結節影.気管支鏡はせず経過観察.楔状陰影は円形に変化.結節影は増大.肺結核を疑い,HRE開始.縮小なく,他院にてPD-Sqと診断.炎症か?腫瘍か?鑑別の難しい画像.

Case presentation

1.熊本中央病院
80歳代,男性.1か月前より繰り返す発熱.著明な低酸素血症(RM 15L/minSpO2 86%)にて入院.内科的基礎疾患はないとのこと.
37.5℃,WBC 6300 (Seg 83.4%Ly 11.8%)Plt 20.5万,AST 231, ALT 200, LDH 734, AMY 102, ALP 1278, Cr 0.5, CRP 18.6, PCT 0.16, D-dimer 80.6, sIL-2R 3160, CEA 12.4QFT判定不能
CT画像;両側肺に小葉間隔壁の肥厚を伴うすりガラス影(geographic pattern)とランダム分布の小粒状影.

非定型肺炎,PCP,抗酸菌感染,AIPHPCOPLymphomaなどが鑑別に.

BALLy 17.2%, Neu 12.4%,抗酸菌塗沫陰性.

臨床経過:MPSL pulse+CPFXにてday3には抜管.その後再び増悪,再挿管.ステロイドが完全ではないが効いている印象.最終的には死亡.

答えはMiliary TB+ARDSDay19で喀痰抗酸菌塗沫G 4号(steroid投与を続けていたところ両側上肺野に陰影が増強).

入院時の尿,吸引痰,胃液,便の抗酸菌塗沫陰性.尿,吸引痰,便結核菌培養陽性.
入院後膵炎をきたした.膵臓にTB病変,または十二指腸にTB病変が出現し膵炎が発症か?

★典型的なMiliary TBの粒状影とは異なり,画像上パラパラと散見される印象.Miliary TBARDSを合併した画像は見たことがあるが,もう少し粒状影が目立っている画像しか見たことがなく勉強になった. Miliary TBにおいてBALの抗酸菌塗沫検査陽性率は10-30%,培養で50%程度と低い,TBLB組織で33-86%.骨髄生検,肝生検などが診断に有用.
よく知られていることだが「高熱にもかかわらず2~4週まで異常所見のみられない例もある。また、ツベルクリン反応の陰性例も多く、喀痰中結核菌塗抹陽性率も低いので診断困難なことが多い。」(結核病学会ホームページより)

本症例は著明な呼吸不全をきたしており,骨髄生検,肝生検などを早めに考慮すべきか?などがdiscussionになった.

入院当初より,尿,喀痰,胃液など低侵襲性に採取できる検体から抗酸菌を証明しようとしており,それでも間に合わなかった.いかに診断に苦慮する病態か再認識.

 
2.上天草総合病院
約3か月前より徐々に労作時呼吸困難を認めた40歳代,女性.内科疾患の既往なし.WBC 10010, Neu 75%, Eos 6%, LDH 164, CRP 1.96,肝・腎機能異常なし.

画像は両側下葉のdense consolidation,非区域性で,volumeの低下を伴う.Reversed halo sign

鑑別として挙がったのがCOP/EPCVD-IPproteinosisなど.Infection, cardiovascular diseaseは否定的か.

rtB8よりBAL, Ly 38%, Eos 30%, CD4/8=1.14
組織所見は好酸球の浸潤と,気腔内のポリープ像(だったと思う).診断はCOP

ステロイド著効.

画像は典型的OP/EPパターン.
どこかで見たような胸部単純X線側面像だった.研修医の時に担当したCOPの患者さんの側面像に似ていることに後で気づいた.

 
3.水俣総合医療センター
2009年に左慢性膿胸と診断48年前から4年間左自然気胸にて4回ドレナージの既往がある60歳代の男性.左胸痛にて来院.CTにて膿胸から外側に広がるLDA

ヘモグラム異常なし,CRP 0.36sIL-2R 578 U/mL

経過からPAL (pyothorax-associated lymphoma)MPM,慢性出血性膿胸,cold abscessなどが鑑別に.もう一つ挙げるなら偽中皮腫性肺癌か.

答えはPALCTガイド下生検にてCD20(+)Bcl-2(+)CD79a(+)MIB1(+),

EBV関連の免疫染色は陰性で,腫瘍細胞におけるEBVの潜伏感染は証明されなかった.