2016年6月9日
山崎記念会館
簡単な身体所見でここまで分かる呼吸器診療
長坂行雄先生
FEV1<1L 胸鎖乳突筋の発達 (発達=くぼみができる)
IPでは何故胸鎖乳突筋が発達しない?COPDは横隔膜が働かない⇒胸鎖乳突筋が働く。
IP斜角筋群が踏ん張る
努力呼吸 鎖骨の上下の動きを見よ
Petty 1985
COPDの呼吸機能低下のグラフ
健常者 -28ml/yr 日本では-25ml/yr
COPD -80ml/yr 最近では50-55ml/yrずつ減るといわれている。
FEV1<1.5L HJ II° 坂道や階段で息切れ
<1.0 HJ III° 呼吸補助筋の発達<0.7 屋内歩行でも息切れ
<0.4 ベッドから動けない。
去痰困難 VC<15ml/kg
COPDで-50ml/yrの減少とすると,1.5L→1.0Lになるまで10年。
1.0→0.7Lになるまで6年.
呼吸数x (4~) 5 =脈拍
相対的に呼吸数が多い→呼吸器疾患を疑う。脈拍が多い →循環器疾患を疑う。
肝の叩打痛(右季肋下で痛みを訴えることが多い)や頸静脈の怒張がなければ利尿薬は不要。
活動量の多い人は下肢ではなく顔面に浮腫がでる(顔が大きくなる)
咳について
オーストラリアの咳ガイドラインが有用Med J Aust 2010; 192: 262
聴診所見
モノフォニック(単音)なwheeze 一本の笛を吹いたよう。気管支拡張薬のみでよくなる。
ポリフォニック(多音性)なwheeze いくつもの笛を吹いたよう。ステロイドdivなどを行わないとよくならない。
呼気のみ、呼気+吸気のwheeze →比較的太い気道
吸気のみ →局所的なflow limitation
Fine crackleとcoarse crackle 完全に区別することができない場合もある。どの場所で聞こえるか?どのような疾患で?などが大切
握力が増える。患者さんと握手をして効果をみる。
目力が大切。
患者さんが医師を見る→大丈夫患者さんが医師を見ない、無関心⇒意識障害など状態が悪い時
フロアからの質問
心臓喘息と気管支喘息を区別できるか?区別は難しい。心不全⇒気道過敏性亢進と考えると説明がつきやすい。