ホテルニューオータニ熊本
特別講演:咳を主訴とする呼吸器感染症の診断と治療
琉球大学 藤田次郎教授
Irwin RS NEJM 2000;343:1715-1721.
We propose that cough be divided into three
categories: acute, defined as lasting less than three weeks; subacute, lasting
three to eight weeks; and chronic, lasting more than eight weeks.
Subacute 日本では遷延性咳嗽という.
気管分岐部 角度は右25°,左35°.胸骨角の高さに存在.
気管は20分岐し肺胞へ至る.終末細気管支⇒呼吸細気管支(17~19分岐).呼吸細気管支には繊毛がない(重要).
繊毛大好き病原体
百日咳Mycopalasma pneumoniae
Chlamydophila pneumoniae
いずれも繊毛にくっついたり,繊毛の間にはまり込んで,繊毛の動きを止める.
これらの病原体による肺炎は繊毛のあるところに陰影が出る.
肺容積の減少を呈する肺炎のときはマイコプラズマ肺炎を疑う.(繊毛の動きが止まる⇒粘液が貯留する⇒無気肺になる)
(容積の増加する肺炎:大葉性肺炎 K. pneumoniae,S. pneumonia, X線所見はBulging fissure
sign)
マクロファージ大好き病原体
LegionellaChlamydophila pneumoniae
レジオネラは自然界ではアメーバーを自然宿主としてその中で増殖する.人体では同様のメカニズムにより,マクロファージ内で増殖する.
クラミドフィラもマクロファージ内で盛んに増殖.マクロファージは1つの肺胞内に1つ存在する.したがってマクロファージ内で増殖するこれらの病原体による肺炎は肺胞領域主体⇒胸膜に接した陰影.
<イムノクロマトグラフィー法を用いたMycoplasmaの迅速診断キット>
プライムチェック・マイコプラズマ抗原(マイコプラズマのP1蛋白を検出)⇒false positiveが多く回収となった.
リポテスト・マイコプラズマ(旭化成)(マイコプラズマのリボソーム蛋白であるL7/L12蛋白を標的)⇒現在も使用可能.
通常体温39℃の時の脈拍は110/min,40℃の時は130/min
CT画像
二次小葉内に細葉が存在.細葉の直径は5mm程度.したがって細葉中心は胸膜から2.5mm離れて存在する.細葉中心には呼吸細気管支が存在.
非常に面白い講演でした.いつものことだが20時30分までしか拝聴できなかったのはとても残念.
Aschoffの細葉について
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800020070.pdf