2016年7月20日水曜日

Meigs症候群:浸出液か?MGH case report,UpToDateなど 

Meigs syndrome
Demons-Meigs syndrome

UpToDateより
Ovarian fibromaascitis and/or pleural effusionの合併.
水の貯留はVEGF様物質の関与が示唆されている.VEGFは毛細血管の透過性を亢進させる.
血清CA125の上昇がみられるcaseがある.
Ovarian fibromaの最も一般的な治療は片側のsalpingo-oophorectomy(卵管卵巣摘除術).Opeにより胸水・腹水は消失する.

Pseudo-Meigs syndrome
Fibromafibroma-likemass / tumorではない卵巣腫瘍に胸水や腹水を伴ったもの.たとえばleiomyoma, struma ovariimucinous cystadenoma, teratoma,悪性腫瘍の卵巣転移(特に大腸―直腸がん)

MGH
Case18-2016: A 52Year-Old Woman with a Pleural Effusion
Cancer screening目的で行った乳房MRIにて偶然発見されたwaxing and waning pleural effusion右側胸水で,少量.胸水採取はできず.その後骨盤内腫瘍が発見された.Opeを行い,ovarian fibromaと診断された.

Demons-Meigs syndrome
1887Demonsが,様々な良性卵巣腫瘍と胸水の増加との関連を初めて報告した.この症候群の詳細をより洗練したものがMeigsらのovarian fibromaに胸水(通常片側で,右胸水が多い)と骨盤内のfluidまたは腹水を伴った7症例の報告である.Ovarian fibromaのわずか1-2%Demons-Meigs syndromeを呈する.

CA125がしばしば上昇するため,癌との鑑別が難しくなる.Ovarian massの摘出により胸水貯留は永久的に改善する.

exudateなのかtransudateなのか?
UpToDateではexudateに分類されているが,実は胸水の性状の報告は非常に少ないようだ.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26656338

2015年の報告.454論文,541症例を検討した.
この報告によるとLight's criteriaを使用した報告はわずか7例で,6例がexudateであったとのこと.蛋白濃度>3.0以上がexudateとする基準を用いれば88.8% (80/90)exudate