2012年5月24日木曜日

悪性軟部腫瘍に対するpazopanibの効果

Pazopanib for metastatic soft-tissue sarcoma (PALETTE): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial
The Lancet.2012; 379 (9829): 1879-1886.

Lancetに掲載されたので触れておく.
一部の腫瘍を除き,ほとんどの軟部悪性腫瘍の治療に進歩は見られない.pazopanibはマルチキナーゼ阻害薬であり,進行腎細胞がんの治療薬として現在国内で使用されているが,昨年12月にGSKが進行性悪性軟部腫瘍に対する治療薬として国内承認申請を行った.LMSにて家族を失ったものとして,できるだけ速やかに承認されることを望む.

abstract
13ヶ国72施設でこの第3相試験を行った.血管新生阻害薬の使用歴がなく,転移を有し,標準的治療を行っても進行性の患者を対象とした.pazopanib 800mg/day vs. placebo群を2:1に割り付けた.
primary endpointはPFS.

結果
372例の患者を登録.369例をpazopanibn=246)群,またはplacebo(n=123)群に無作為割付した。
PFS中央値はpazopanib群4.6か月95%CI 3.7-4.8,placebo群1.6か月 (0.9-1.8),(hazard ratio [HR] 0·31, 95% CI 0·24-0·40; p<0·0001)であった.
OSはpazopanib群12.5か月95%CI 10.6-14.8,placebo群10.7か月 (8.7-12.8),(hazard ratio [HR] 0.86, 0.67-1.11; p=0·25).
有害事象として多かったのは疲労感,下痢,嘔吐,体重減少,高血圧であった.

結語
pazopanibは治療歴のあるmetastatic non-adipocytic soft-tissue sarcomaに対する新たな治療optionである.

*GSKからのfundあり.